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中医診断学と「黒」の関係 漢方市民講座

2013-08-02 00:15:00 | ブログ

8月も、もう2日目、酷暑が続いています。しばらく1~5年前に戻って、其の当時と現在の自分を比較してみてどれだけの成長、いわば老化したのかを検証してみます。

昨年の201286日ロンドン五輪の最中でした。その四年前は北京五輪でした。私は何を考えていたのかと自問すれば、2008年の8月には

内傷発熱論

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080829

虚熱論

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080826

玄参の臨床

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080822

百日咳の漢方治療

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080819

復脈湯の臨床

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080818

一貫煎の方剤位置

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080817

麦門冬湯の臨床

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080816

滋陰降火湯と滋陰至宝湯の比較

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080813

滋陰至宝湯の臨床

http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20080812

いずれも5年前の記事であり、まだ50代でした。

体力があったせいか、ある程度緻密で真面目な論考となっています。八綱弁証論治の陰陽弁証の中の陰虚に興味があったのでしょうね。養陰、育陰、補陰、滋陰、斂陰などに興味があったようです。それで5年後の現在でも上記の方剤はよく使用します。使い方に慣れて上手になってきたようです。上記の9つの記事は読者の皆さんにもお勧めします。暇つぶしだと思ってご覧下さい。

5年前と比較すると、論理に振り回されず、かといって思考が簡略化、省略化されたわけではないのですが、より直感に近いというか、情報の処理速度が速くなった気がします。

前講では「黒」と中薬について、少しお話しましたが。本稿では中医診断学と黒の関係について少しお話します。

便宜上ブルーで書きます。

と関係の深い病態腎臓病 ②水飲 ③瘀血 ④痛症です。②~④については前述してありますので、簡単に陰陽弁証での①についてお話すれば、

腎陰虚:症状は、痩せている、午後低熱、盗汗 陰虚内熱 陰虚火旺で「紅舌」もある。

腎陽虚:症状は畏寒肢冷、小便清長です。

簡単に終わりにします。簡単でしょう?

女性の目の周囲のくま(眼眶黒)は一般的には腎気虚が原因といわれています。

黒を呈する瘀血の重症は肝硬変などで肌膚甲錯といわれる皮膚の状態で、魚のうろこ状の黒があります。

女労疸:皮膚の黄色~黒色の色素沈着:腎虚が関係します。

肝硬変や肝臓癌等からの黄疸と考えられ腹部が膨満し腹水が溜まる状態であるとする意見も、或いは房事過多による腎虚が原因であるという説もありますが、中年以降の急な顔色の黒ずみは肝、腎に問題があるようです。

舌を診て、苔が黒い場合には、黒苔の鑑別が必要になってきます。以下が要点です。寒熱弁証が基本です。

裏寒症(陽虚寒盛)

痰湿内阻で気机異常

潤滑の黒苔

熱症(熱極津枯)

紅絳舌

黒燥苔

黒苔は瘀血、胃腸病、喫煙者でも出現することがあります。

血熱搏結証(傷寒論に出現してくる病態です)いわゆる熱性疾患での消化管出血を伴う病態です。

血瘀証と熱症が同時に存在する証候です。代表的なものは、瘀熱搏結腸胃(陽明蓄血証です。

胃腸に熱が積滞し出血を起こし瘀血を形成する。胃腸の出血が瘀血となり化熱する。

主証:腹部張痛(拒按)大便乾燥 黒色便 排便は容易 譫語 健忘

論治:破結下瘀 抵当湯 瀉熱破瘀 散結消 大黄牡丹皮湯も可

(現代日本では漢方医の出番はありません)

5年前の8月雑感には、

北京五輪で女子ソフトボールチームがアメリカを破って優勝した。感動した。終戦から63年。日中戦争の当事者国の中国の首都北京で、太平洋戦争の相手国アメリカと競技する。感慨深い。

アメリカの証券大手リーマン ブラザーズが破たんしたのに加え、アメリカの保険最大手AIG(アメリカン インターナショナル グループ)の経営危機もあり、アメリカの金融機関に対する懸念からNYダウが同時多発テロ以来の500ドル以上の大幅安となり、それを受けて日経平均も600円以上の下げになり、ドル安とクロス円の円高が加速し、いったい今後世界はどうなるか。そして昨日NYダウは下げて始まり円は全面高になって始まりました。そして、FOMCの政策金利2%据え置きの発表で、利下げ期待もあったことから、NYダウは急落し下げ幅を拡大、円高も一層進行しそうな雰囲気でしたが、その後、AIGの救済策が発表されるに及んで、一転、NYダウは反発、円高にも一時的にストップがかかったようです。現在17日、5時55分です。今日はどんな一日になるのでしょうか?世界同時不況、それにしても恐慌だけには陥ってほしくないと心配でたまりません。嫌な世の中になりました。平気で汚染米を食料として売る大阪や新潟の会社があるとは、、子や孫の時代の暗雲を懸念するようになったのは老いたためだと実感しています。

そしてロンドン五輪の昨年の感想として

アメリカの金融緩和は行き着くとこまで来たという感じがある。FRBの超低金利政策は今後2年以上続く可能性がある。ドル円は80円を切ってしまった。そして、シャープ、パナソニック、ソニーも減収減益、赤字に転落、大幅な人員削減、日本経済の先行きは暗い。

そして201382日の感想として

中国のバブル株価は下がり続け、200710月の6092.06をピークに上海総合指数は北京五輪後の200811月に1706.70までほぼ一直線に下降して、翌20098月に3471.44まで値を戻したものの、その後、20136月には2000ポイントを割ってしまいました。やや持ち返し、本日は2029.07で引けています。

先のことは予測不可能です

「備え有れば憂い無し」といいますが、想定外の備えはしようが無いのが現実でしょう。日本政府の危機管理は「後手後手」になるのが常でした。超現実主義者、超悲観論者、戦術家、歴史家、詐欺師、煽動学、国際学者、金融学者、戦争史家、軍事専門家、反日メディアの分析者、サイバーテロ対策、感染症と防疫専門部、エネルギー開発と調達部門、ロケット工学、核物質、気象学などあらゆる種類の人間の想定を集積する作業が必要ですね。夢想家、理想家、日和見主義者は必要じゃないでしょう。

シャープが営業利益30億円の黒字になったというグッドニュースが入ってきました。友人の息子さんが京大からシャープに入社してから気になっていたのです。

安部ノミクスを予測することは不可能です。史上最悪の民主党を退場させたのは国民の選択でした。その選択を注視しましょう。

201382日(金) 記