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アトピー性皮膚炎の漢方治療 第七報

2012-07-20 15:51:46 | アトピー性皮膚炎

女性は肌が美しくなると表情に自信があふれてくる。

四十二歳女性。初診時所見

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顔面には両側頬部、眼周囲、前額部、下顎部分の痒みを伴う発赤疹が目立つ。

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前頚部胸部の痒疹 色素沈着 後頚部の発疹が目立つ

治療 ?芥 防風 牛蒡子 蝉脱 当帰 白芍  生地黄 藜 何首烏 黄耆 蒼朮 苦参 通草 石膏 知母 生甘草の配合から治療を開始した。外用剤には当帰エキス、紫根エキスを配合した。色素沈着が目立つために、ビタミンCとビタミンHを併用した。経過は順調であった。私の禁食指導もよく守ってくれた。元来花粉症の時期に鼻炎症状が悪化する傾向があったが、症状の悪化は無かった。

八ヵ月後の所見

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顔面の発赤疹は残存するも、非常に軽快している。

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後頚部、前頚部胸部の発疹は消失し、色素沈着の改善が著しい。

一年一ヶ月後 直近の所見

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顔面の発赤疹は消失している。

紫外線を避け、禁食を守り、睡眠を十分にとることを指導している。

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皮膚科としての診療を積むにつれ、「女性は肌が美しくなると表情に自信があふれてくる」と確信する。写真を撮り、カルテにもらさず貼り付けるようになってからはその感を強くする。人間の記憶は確かなものではない。素描家なみのデッサン能力は普通の医者は持っていない。ましてや、いい加減にカルテの記載をしていると、皮膚病変の細かな変化を忘れてしまう。数値化、数式化できない所見を素描や文章で記録するのは困難だ。皮膚科診療はビジュアルな結果を伴うものである。加えて、患者さん御自身でも自分の背中や後ろ首周辺を詳細に観察できない。

「随分とお綺麗になりましたねえ」と患者さんに言う際に、残しておいたビジュアルな情報、つまり写真が何よりのエビデンスになる。

アトピー性皮膚炎についての相談は「すずき康仁クリニック」の相談フォームkojindou@cap.ocn.ne.jpから