■「コードギアス 反逆のルルーシュR2」 --- Final Turn 「Re;」
2006年10月に幕開けした「コードギアス 反逆のルルーシュ」の物語も、いよいよ最終幕。
遂にシュナイゼルをもギアスによって服従させ、残すは天空要塞ダモクレス、そしてフレイヤ弾頭の掌握により、この最終決戦に終止符が打たれる。
しかし、そんなルルーシュの前に立ち塞がったのは、自力でギアスの支配を破り、光を取り戻した妹・ナナリーだった…というところで前話の引きとなった訳ですけど、果たして最後の敵であるナナリーに、ルルーシュはどんな選択をするのか、スザクとカレンの戦いの行方は、更にルルーシュとスザクがやろうとしている“ゼロ・レクイエム”の真実とは---などなど、一体どんな結末が用意されているのか、その行方が判然としないまま、そうして本編が幕を開けてみれば、ルルーシュが皇帝という地位に就いた時点で、確かにこの終わり方以外には無かった、それでいて出来ればそうであって欲しくなかった、完全なる幕引きだったと。
ゼロ・レクイエムの目的のひとつは、全ての憎しみの対象と、あらゆる業を背負い、この世界の“悪”となる---それは皮肉にも、ダモクレス+フレイヤという恐怖で世界を満たし、管理という名の支配を試みようとしたシュナイゼルと、恐怖に対する憎しみと業の全てを受け止めようとしたナナリーの意志、そのどちらにも近からずも遠からじでしたが、決定的に違うのはその先だった訳で。
そうして世界の“悪”となった皇帝ルルーシュとして、反逆の“象徴”たるゼロ(=スザク)に殺される。
これこそがゼロ・レクイエムの真実だった次第ですけど、こうなるとシュナイゼルは兎も角、ナナリーやカレンに対しては、自分たちがこれからやろうとしている行動、その真実を話せば、まだこんな哀しい別れの結末を迎えずとも済んだやもしれず。
それをあえて選択しなかったのは、勿論、既に互いにそうした域を超えてしまっていたことを前提に、計画を完全に成功させるという自分たち自身の覚悟の表れだとしても、根底に存在していたのは、やはりこれまでの贖罪だったのでしょうね。
だからこそのナナリーに対するギアスであり、ルルーシュがカレン、そしてナナリーに対してなにも告げず、それで全ての罪---ナナリーやカレン、引いては黒の騎士団、シュナイゼル、ユーフェミア、神聖ブリタニア帝国、フレイヤ、なによりギアスとゼロの罪をその身に受ける為だったと。
しかし、ただ命を落としたのでは意味が無く、公衆の面前で、かつて黒の騎士団を率い、反逆の象徴として名を轟かせたゼロに討たれる---そうしてゼロは世界の救世主として存在し続け、ルルーシュは悪逆皇帝として断罪されたという事実こそが、全世界の意志をひとつの方向へと纏める足掛かりになる、これでゼロ・レクイエムは真に完遂された事に。
「R2」では序盤から多用されて来た“ゼロ=象徴=記号”だという表現は、間違いなくこの為にあったのでしょうが、ルルーシュ自身が最後の引き金として、それを利用したのは正しくゼロに対する、そしてゼロによる鎮魂曲だった次第。
また前話のシュナイゼルに対するギアスが、「ルルーシュに従え」ではなく「ゼロに従え」だったのは、この伏線であったのですね。
ゼロ=ルルーシュと知っている人間にとっては、どちらも従うべき存在であり、誰が中身であってもゼロであるのに違いないですから。
かくてルルーシュは、全ての憎しみと業を背負い、ゼロではなく、魔王ルルーシュとして生命の死を。
スザクは、スザクという人間をこの世界から消し、ゼロという仮面を被ったままに生きるという死を。
この結末が本当にルルーシュやスザクにとって最良だったのかは兎も角、ルルーシュにとっては母・マリアンヌの死の真相に辿り着き、仇敵であった父・シャルルを亡き者として、神聖ブリタニア帝国とそのシステムを破壊、ナナリーが光を取り戻し、彼女の望む優しい世界への足掛かりを作って、その最期は、かつてC.C.が語った“王の力はお前を孤独にする”に順ぜず、妹やかつての仲間たちには真実(ほんとう)が伝わった。
また、スザクにとっては「生きろ」というギアス(=自分で命を断つ事が出来ない)、そしてゼロとして生きるという“ギアス”を背負い続けるとは言え、日本の解放、ユフィの仇をとるという目的が叶った。
本当にこれが最良だったのかと、なお問いたい気持ちではあるものの、ある意味ではこれ以上無い、先述した通りの“完全なる幕引き”なのは間違いないかと思われ。
仮に“if”があるならば、たとえばC.C.が自分自身のコードをルルーシュに渡して、共に世界の外れでひっそりと暮らす---なんて展開も考えられますけどねw
ひょっとして、あの馬車を操作していたのは実はルルーシュで、最後の問い掛けに「あぁ、そうだな」と返答するとか(
ともあれ、こうして世界は新たなる一歩を踏み出し始めた訳ですけど…エピローグとして描かれた場面の中に、アーニャと共にオレンジ栽培をしているジェレミアの姿がw
なんかもう非常に哀しい幕切れだったのに、ジェレミアに全部持って行かれた印象ですが、アーニャと共に過ごしているのは、おそらくはギアスキャンセラーで記憶の改竄(消去)部分を復元したからでしょうね…つか少し前にらしきものが垣間見えた、咲世子とのフラグは何処へ(
他にもカレンと母親の生活やら、死亡フラグが立っていたはずの星刻のその後、扇が首相を務めている理由などなど、説明不足な部分も多々ありますし、是非とも小説やDVD特典映像などで補完して欲しい所ですが、果たして?
兎にも角にも、シリーズ通じて、二転三転するストーリーに毎回魅せられた時間も、これにてひと先ず終了。
どうやら今後には、恒例の主題歌集「COMPLETE BEST」も発売されるようですし、まだ暫くは関連アイテムなどで楽しめそうですけど、ともあれスタッフ・キャストの皆様、本当にお疲れ様でした、そしてこれほどまでに楽しめた濃厚な作品を---ありがとギアス。(w
2006年10月に幕開けした「コードギアス 反逆のルルーシュ」の物語も、いよいよ最終幕。
遂にシュナイゼルをもギアスによって服従させ、残すは天空要塞ダモクレス、そしてフレイヤ弾頭の掌握により、この最終決戦に終止符が打たれる。
しかし、そんなルルーシュの前に立ち塞がったのは、自力でギアスの支配を破り、光を取り戻した妹・ナナリーだった…というところで前話の引きとなった訳ですけど、果たして最後の敵であるナナリーに、ルルーシュはどんな選択をするのか、スザクとカレンの戦いの行方は、更にルルーシュとスザクがやろうとしている“ゼロ・レクイエム”の真実とは---などなど、一体どんな結末が用意されているのか、その行方が判然としないまま、そうして本編が幕を開けてみれば、ルルーシュが皇帝という地位に就いた時点で、確かにこの終わり方以外には無かった、それでいて出来ればそうであって欲しくなかった、完全なる幕引きだったと。
ゼロ・レクイエムの目的のひとつは、全ての憎しみの対象と、あらゆる業を背負い、この世界の“悪”となる---それは皮肉にも、ダモクレス+フレイヤという恐怖で世界を満たし、管理という名の支配を試みようとしたシュナイゼルと、恐怖に対する憎しみと業の全てを受け止めようとしたナナリーの意志、そのどちらにも近からずも遠からじでしたが、決定的に違うのはその先だった訳で。
そうして世界の“悪”となった皇帝ルルーシュとして、反逆の“象徴”たるゼロ(=スザク)に殺される。
これこそがゼロ・レクイエムの真実だった次第ですけど、こうなるとシュナイゼルは兎も角、ナナリーやカレンに対しては、自分たちがこれからやろうとしている行動、その真実を話せば、まだこんな哀しい別れの結末を迎えずとも済んだやもしれず。
それをあえて選択しなかったのは、勿論、既に互いにそうした域を超えてしまっていたことを前提に、計画を完全に成功させるという自分たち自身の覚悟の表れだとしても、根底に存在していたのは、やはりこれまでの贖罪だったのでしょうね。
だからこそのナナリーに対するギアスであり、ルルーシュがカレン、そしてナナリーに対してなにも告げず、それで全ての罪---ナナリーやカレン、引いては黒の騎士団、シュナイゼル、ユーフェミア、神聖ブリタニア帝国、フレイヤ、なによりギアスとゼロの罪をその身に受ける為だったと。
しかし、ただ命を落としたのでは意味が無く、公衆の面前で、かつて黒の騎士団を率い、反逆の象徴として名を轟かせたゼロに討たれる---そうしてゼロは世界の救世主として存在し続け、ルルーシュは悪逆皇帝として断罪されたという事実こそが、全世界の意志をひとつの方向へと纏める足掛かりになる、これでゼロ・レクイエムは真に完遂された事に。
「R2」では序盤から多用されて来た“ゼロ=象徴=記号”だという表現は、間違いなくこの為にあったのでしょうが、ルルーシュ自身が最後の引き金として、それを利用したのは正しくゼロに対する、そしてゼロによる鎮魂曲だった次第。
また前話のシュナイゼルに対するギアスが、「ルルーシュに従え」ではなく「ゼロに従え」だったのは、この伏線であったのですね。
ゼロ=ルルーシュと知っている人間にとっては、どちらも従うべき存在であり、誰が中身であってもゼロであるのに違いないですから。
かくてルルーシュは、全ての憎しみと業を背負い、ゼロではなく、魔王ルルーシュとして生命の死を。
スザクは、スザクという人間をこの世界から消し、ゼロという仮面を被ったままに生きるという死を。
この結末が本当にルルーシュやスザクにとって最良だったのかは兎も角、ルルーシュにとっては母・マリアンヌの死の真相に辿り着き、仇敵であった父・シャルルを亡き者として、神聖ブリタニア帝国とそのシステムを破壊、ナナリーが光を取り戻し、彼女の望む優しい世界への足掛かりを作って、その最期は、かつてC.C.が語った“王の力はお前を孤独にする”に順ぜず、妹やかつての仲間たちには真実(ほんとう)が伝わった。
また、スザクにとっては「生きろ」というギアス(=自分で命を断つ事が出来ない)、そしてゼロとして生きるという“ギアス”を背負い続けるとは言え、日本の解放、ユフィの仇をとるという目的が叶った。
本当にこれが最良だったのかと、なお問いたい気持ちではあるものの、ある意味ではこれ以上無い、先述した通りの“完全なる幕引き”なのは間違いないかと思われ。
仮に“if”があるならば、たとえばC.C.が自分自身のコードをルルーシュに渡して、共に世界の外れでひっそりと暮らす---なんて展開も考えられますけどねw
ひょっとして、あの馬車を操作していたのは実はルルーシュで、最後の問い掛けに「あぁ、そうだな」と返答するとか(
ともあれ、こうして世界は新たなる一歩を踏み出し始めた訳ですけど…エピローグとして描かれた場面の中に、アーニャと共にオレンジ栽培をしているジェレミアの姿がw
なんかもう非常に哀しい幕切れだったのに、ジェレミアに全部持って行かれた印象ですが、アーニャと共に過ごしているのは、おそらくはギアスキャンセラーで記憶の改竄(消去)部分を復元したからでしょうね…つか少し前にらしきものが垣間見えた、咲世子とのフラグは何処へ(
他にもカレンと母親の生活やら、死亡フラグが立っていたはずの星刻のその後、扇が首相を務めている理由などなど、説明不足な部分も多々ありますし、是非とも小説やDVD特典映像などで補完して欲しい所ですが、果たして?
兎にも角にも、シリーズ通じて、二転三転するストーリーに毎回魅せられた時間も、これにてひと先ず終了。
どうやら今後には、恒例の主題歌集「COMPLETE BEST」も発売されるようですし、まだ暫くは関連アイテムなどで楽しめそうですけど、ともあれスタッフ・キャストの皆様、本当にお疲れ様でした、そしてこれほどまでに楽しめた濃厚な作品を---ありがとギアス。(w