『潮騒』の初江役は熟孝の末、このブログにもよく顔を出す人物の長女Aちゃんに決まる。父親はイニシャルで通しているが、それでもイメージが悪くなってもいけないので黙っておく。実際血がつながっているというのを信じたくないような娘である。といっても、ここのところ出ずっぱりのS運輸を定年のKさんでないことだけはいっておかなければならない。 始めに母親から打診してもらうと、やっても良い、という返事であった。しかし海女の格好をし、濡れて多少透けることを覚悟してもらわないとならない。さらに問題は父親である。彼は長女を我が恋人と公言してはばからないような男である。結婚は絶対させないといっているし、酒を飲んだおり、その辺を突いて彼を涙ぐませては面白がっている私である。そこで母親だけで話しを進ませても、と“○家の親御様へ”と冗談めかしながらも制作意図と潮騒のあらすじをメールした。すると父親はまったく問題ないという。記念にもなるし、とすこぶる物分りが良い。といいつつ図書館から『潮騒』を即借りてきていた。一応内容をチェックということであろう。先日飲んだ折には、娘にちゃんと納得させるからと気前の良いことをいって、その場で携帯を取り出し、「ヌードもありだから」。などと余計なことまでいう。「いやなにもそこまで」。『あっ、協力してるように見せかけて邪魔してやがるな!』 そうこうして、直接Aちゃんからメールをもらった。焚き火を越えて来い、で有名な嵐の晩をどこまで描けるか、など細かな部分はさておいて、とにかくやってくれることになった。父親の手前、撮影の時には海女姿のAちゃんが乾かぬよう水をかける役で、母親に立ち会ってもらうつもりでいる。撮影後に飲むたび絡まれるようになっても困る。
過去の雑記
HOME