義太夫三味線の鶴澤寛也師匠から、伊集院 静さんの著書に、人形を作って撮影した私のクレジットがないと思ったら。とメールをいただいた。そうです。それは別な出版社の、御本人の写真です。随分前にどこかで広告を見かけたと聞いてたので、そんなこともあるのかな、と思っていたら、やはり違っていたわけである。店頭に並ぶのは26日あたりらしいし。 以前アダージョで、デジタル修正せずに、できるだけリアルに造形してみようと古今亭志ん生で試みたことがある。あれが一番良かったと未だにいってくれる人もいて、結果には満足しているが、老人が背負うには大きすぎる火焔太鼓を作ったにも係わらず、志ん生本人だと思った人も多く、ところでお前はこの表紙の中の何をしたんだ、という顔をされたことが2回や3回ではない。となると、私が全部作ったといいたがりの私としては複雑である。よってその試みは1回でやめ、自分にとって重要なリアル感がでれば、あとは粘土の質感は残したままである。とくにこれまでと違って存命の人物の場合、何も私に依頼せず、本人を撮影すれば良い、ということにもなりかねない。 しかし世の中をボンヤリとしか見ない人や、オッチョコチョイな人はどこにもいるので、それはもうしかたがない。もちろん寛也師匠はそのどちらでもないから、たまたま間違っちゃったのだろう。
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