毎年恒例の、去年出来なかった、考えもしなかったことを出来たか振り返る大晦日である。変化しているウチが華。去年と一緒では、冥土にただ一年近付いただけで我慢がならない。そういう意味ではモチーフを寒山拾得その他、に変えたことが大きい。始めて5年ほどになる、陰影を排除する東洋調ピクトリアリズムを完成させるには、最適なモチーフであり、陰影を無くすことにより失う立体感を適度に表すこともできたし、当初の目的、陰影をなくすことによる、画面構成上の自由を得ることが出来た。その調子で突き進むつもりであったが、何故かぐずぐずしてしまった。原因は、それによりかえって、私が一番恐れる、作りそびれて後悔する可能性に気が付いたからである。そして真反対に、絵画、写真に当てられなかった陰影も与えられると思えて来た。行き当たりばったりの私の常だが、それもこれも、寒山拾得をやってみたから判った。 目の前の事しか考えず、長期的目標を定めないのが、中途挫折の一番の回避法である。大晦日、そんなことを言っているが、さあどうだろう。