西洋の宗教画や宗教彫刻の中にはモチーフの選択肢が少なく主題はそこにはないと思われるエロチックな作品に溢れている。昔友人にそんな話しをしたら怒りだした奴がいて、お目出度い奴だ、と呆れた。 私が長らく続けた作家シリーズは、作って面白いイメージを創作してくれた作家に敬意を払い、おかげでこんなとんでもない場面を作ることが出来ました、と感謝しっぱなしで、なので作家本人が不快になるようなことはしたくなく、本人に見せてウケるような作品を、と妄想しつつ心がけてきた。 それを考えると制作中のモチーフは一千年前のエピソードはざらで、やりようという意味では、一小説家が描いた世界とは比較にならない広大さである。作っているのは殆どが老人で、地味に制作しているが、内心は相当はしゃいでいる状態である。 数年前から突然始めた陰影のない石塚式ピクトリアリズムだが、このモチーフのために有るような手法である。3本脚のガマを頭に乗せた蝦蟇仙人や、虎に乗った老人など、さも現実に存在するかのように、太陽がこちらにある設定だから陰影はというと、なんて馬鹿馬鹿しくてやってられない、という話である。
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