特徴的な頭部は毛が生えてないことにしたものの、髭だらけにして大燈国師に見えるだろうか?一方で、大燈国師の寿像(生前描かれた肖像)など知る人は少ないだろう。ホームレスの一団に混ざって20年とはいえ、厳しい修行をするような人物が、髪も髭も生やしっ放しということがあるだろうか?一方で、臨済宗中興の祖である白隠禅師はむさ苦しい姿に描いている。誰を描いてもほとんど同じ白隠であれば構わないだろうが、蘭渓道隆の時と同様に、寿像をもとに制作しているので、誰だかわからなくなることに抵抗を感じる。結論として、ホームレスの中で20年の若い時代だけれども、寿像に準じ、髪も髭も剃って肥満体にすることにした。擦り切れたような着物に裸足。真桑瓜を手にゴザを背に。これをもって私の『乞食大燈像』とした。