どこかの王様に石の塔に幽閉され「宿題や算数なんてやらなくて良いから、ここで好きなことだけやっておれ。クレヨン絵の具鉛筆画用紙は使い放題、図書室の本は読み放題じゃ。」なんていうのを夢見た幼い私だったが。 22年、初個展から40周年の『Don’t Think, Feel!寒山拾得展』(ふげん社)はコロナ禍により石の塔から出ないことを推奨された状態で制作した。 以降、もう実在した人物から脚を洗い。架空の人物で行くつもりでいたが、建長寺の開山蘭渓道隆を知り、生前描かれた頂相を元に作品化し、6月建長寺龍王殿での個展となった。その流れから、大徳寺の開山大燈国師を作っており、臨済宗高僧シリーズ 制作中の趣だが、実のところ、寒山拾得や仙人を作りたい、と思ったのは、その脱俗超凡の姿ではなかったか?悟りを開いてなお物乞いと共に五条橋の橋の下で20年修行した大燈国師のまさに脱俗超凡の姿を作っていて、ハッキリ思い出している。