双葉社より表紙写真を担当した伊集院 静さんの『作家の遊び方』が届く。初版1万部、発売前に重版がかかり、累計15000部でのスタートだそうである。発売日にさらに重版という計画もあるとかないとか。『中央公論Adagio』で、ただ人物がボサッと立っているだけでは表紙として形にならない、と苦肉の策で始めた、背景を先に撮影し、それに合わせて人物を造形する方法が、ここでは上手くいったようである。 制作中の小津安二郎だが、地べたに座り込んでローアングルで演出する小津というのは、始めに手がけた時から作ってみたかったのだが、その前に、片手を膝について身を屈めて演出している小津が作りたくなった。急遽予定変更する。
母が用事で近くまで来るというので食事をすることにした。T屋にも行ってみたいという。主人のHさんも電話で母と話したことがあり、母に一度会いたいといわれていたが、2人で妙な盛り上がり方をするのは目に見えているので止める。またそんなときに限って、ロレツの回らないKさんまで現れるに決まっているのだ。 母と食事した中華の店はウェイトレスが4、5人のチャイナドレスの中国女性である。そこへKさんよりメール『一人寂しく飲んでます』。どうやら常連が顔を出さないらしい。61歳のおじさんの寂しがりにも連日困ったものである。そこで『今、チャイナドレスの娘の店で飲んでます』とメールを返す。何もウソはいっていない。間髪をいれず『えー何処で』と返事。今晩これから何通メールが来るだろうか。一切返事しないことにする。私は常に聞き役である。いつも聞かされている内容を考えれば、このぐらい楽しませてくれてもバチは当たらないであろう。苦しむが良い。
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