ある場所を海女小屋に見立てられないかと考えている。このブログにも度々登場する場所である。ゆえに多少無茶をしなければならない。いや多少とはいえないだろう。大改造が必用である。 実際海女小屋は現在残っていたとしても観光用であろうし、実用本位の小屋があったとしても、イメージに合うことはまずないだろう。そこでまず小道具として昔の吊り下げ式ランプを入手した。他にも房総の漁村にでもいって、何かそれらしい雑物を配したいものである。 そういえば近所の工務店のSさんは骨董趣味がある爺さんで、骨董市へ出かけては何かを買ってきていたのを思いだした。しかもどちらかというと民具の類の物を、懐かしい気がするといって集めていた。油断するとウチの婆さんに捨てられちゃうんだ、とこぼしていた。以前ペンキ臭い店先に顔を出した時、竹製の何かを見せられたが、どう?といわれてもコメントに困ったのを覚えている。そもそも本人が何に使う物か判っていなかった。「これなんかいいと思うんだよな」。見せられたのは海に浮かぶ船を描いた油絵で、どう贔屓目にみても、シロウトの下手糞な油絵だったが、一目惚れしたといって書かれたサインを指差し、「もしかしたら有名な絵描きかもしれないと思ってさ、誰だか判んない?」そのわりにペンキ缶が積んである棚の奥に、無造作に挟まっていた。奥さんに捨てらないために隠してあるらしい。可愛気があって好きなお年寄りであったが、常々深酒が過ぎ、尻餅ついて腰を骨折し以来杖をついており、それと同時に次第に愚痴が多くなり、近所の居酒屋でも疎まれていたようである。そういえば最近顔見ないな、と思って近所で聞いたら、病院で寝たきりになってしまったそうである。
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