明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



夕方、本郷の『金魚坂』へ。次号の『タウン誌深川』で室生犀星制作中と書いたし、金魚にも触れたので金魚の写真を載せようと撮影した。今日は展示の打ち合わせと、どんな金魚を使うべきか。というのも同時に考えたい。実は金魚である娘には浴衣を着せようと考えている。当初真っ赤な金魚を使うつもりでいたが、となると浴衣も真っ赤にするのか、などと考えながら撮影を終え、店内でシングルモルトのスコッチをいただきながらの打ち合わせ。浴衣を使いたいという話しをしていたら、社長のコレクションで、金魚柄の浴衣や帯がある、という。だったらそちらを使わせていただく事に。金魚が金魚柄というのは変だか、〝私は金魚である〟という印という事にしよう。と、当初の予定はあっけなく変更に。そうなると、金魚と浴衣が似ている必要はそれ程無くなったことになる。金魚坂は350年続く金魚問屋でもあり、樋口一葉が良く見に来たという。一葉も出品することにしよう。 金魚が15年も生きる事を知り飼いたくなって来た。小学校の教室で飼っいた金魚が病気になり、ビタミン不足が原因だと知って家からレモンを持って来て水槽に絞った奴がいたのを思い出した。

 

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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube  

 

深川江戸資料館にて葛飾北斎像展示中

 

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載13回『月に兎 泉鏡花

 

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先日〝ロッケンロール死す〟と電話で話したばかりのフリーの映画プロデューサーYさんと再び。あの時もショーケンの話しをしたばかりである。 いつだったか、Yさんから『傷だらけの天使どこそこでやりますよ。』とメールを貰った。私はテレビを廃止してしまっていたし、高校生の放送時しか観ていない。『深作の中山麻里の回だけ良いから録画して下さいよ。』『俺録画出来ないんだよ。』中山麻里(ストリッパー役)の回だけでも、と頼む私も私だが、録画出来ないプロデューサーというのもいかがなものか。「今日買ったばかりのホワイトが空いちゃうぜ。」今回も、包丁持ってロッケンロールを追い回したとか、聞いたから、と言って無責任に書けない話しばかりであったが、Yさんの言う通り、そんな連中が作っていたから面白かった訳で、映画なんてヤクザが作って不良が観るもんだ、との極論も。「これから俺はカラオケで誰のモノマネすれば良いんだよ。」そんなことまで私は知らない。



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スーパーフラットブラックで松尾芭蕉の法衣を塗る。私の聞いた塗料と違うのか、最初、思った程には黒く無いと思ったが、当たる光か弱いと、目を凝らしてもデティールが消えてしまう。一度ベタ塗りし、後で髪なら髪なりの艶を磨き出す、という使い方が面白いだろう。 これは水性のおそらくアクリル絵の具であるが、面白いのが整髪料のMG5みたいな香りがすることである。懐かしい。MG5といえば澁澤龍彦邸にお邪魔して驚いたのが、本棚の二本のMG5であった。金子国義監修だったか『みづゑ』の篠山紀信撮影の本棚にはイメージに合わないと判断されたのであろう。どかされていたが、中学生になり、最初に使うのが安価なヴァイタリスかMG5だった世代でないと〝あの澁澤がMG5!〟というそのカッコ良さは判らないであろう。その日数十年ぶりに買って帰って匂いを嗅いでみた。 昼に芭蕉記念館の方が芭蕉像を取りに来た。これから区役所の担当に確認を取らなければならない、と聞いていたので、ちなみにどんな部署のどちら様の確認を得なければならないのですか、と参考に聞いてみたら。我が芭蕉も備品扱いなので備品担当の係だそうである。了解致しました。 正式には4月の20何日から、展示されるそうである。

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友人のSが「俺は未だに、あれは妖怪だったと思っている。」 十年ほど前だったろうか。SとOと、鶴澤寛也さんの義太夫を聴きに両国に行き、帰り、まだ早かったが一杯やろうと、土砂降りの中歩いていると、道の脇に良くあるベンチ一つに、せいぜいシーソーやブランコ程度の小さな公園があり、高校生位の娘がベンチに突っぷして号泣していた。アワアワしたのは私だけであった。Sは子供の頃、友達と遊んでいると「バケモノがいるぞ!」みんなで行ってみると、通りに面したガラス張りの喫茶店で、おたふく風邪の姉さんがセーラー服でタバコを吹かしていた。そんなのが彼の家にはもう一人いる。Oに至っては上に姉4人で、おかげで女性に欠片も夢を持っていない男で、一瞥をくれただけで、それがどうした、とばかりに先を急いだ。姉達の明ら様を見せつけられて来た連中はさすがに違う。涙など自由自在に操れる事を知っている。 なるほどあれは妖怪か。土砂降りの日、峠に差し掛かると号泣する娘。「娘さんどうしなすった?」腕をつかまれ「私のことかい?」これは嫌だ。あの時はバケモノ妖怪慣れした二人と一緒で良かった。

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木曜日に芭蕉記念館の方が芭蕉像を取りに来て、江東区役所のどなたかのチェックを受けて無事収蔵となるらしい。私は常々審査、免許の類いと無縁に生きたい口であるが、まあ、確認しましたハンコ。ということであろう。 芭蕉像などそれこそ陰影のない撮影が向いている訳だが、撮影はこれらの手順が済めば改めて撮らせて貰える事になっている。 何度か書いているが、私の作品はよほどのことが無ければ自立するが、安定を欠く事があるのが、わらじ、草履の類いである。完成した後に、草履かせるが、密着させようと、柔らかい粘土で作る事が乾燥後、安定が悪い原因。調整している。次に草履を履かせるのは、余程の事がない限り『寒山拾得』になるはずなので、以後同じ事はしない。芭蕉の法衣は、例のアメリカ制スーパーブラックを塗る予定である。 『蜜のあはれ』の金魚娘役がおおよそ決まる。ただ何処まで本気なのか、危なっかしいところがあり、メールの返信も、今時の娘が五日はかかる有様で、谷崎潤一郎崎の『痴人の愛』のナオミに翻弄される河合譲治の十分の一 程の気分である。

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一昨日から再び禁煙を開始した。以前何度も禁煙をくり返した友人のアドバイスは〝やるなら一回で〟というのがためになった,すぐ一週間が経ち、三週目くらいに〝なんだ禁煙なんか簡単ではないか、これならいつでも出来る。だったら今じゃなくても〟これが禁断症状に苛まれている状態だったと気づいたのは後の事で、友人の一回目で、というアドバイスがなければ挫折していただろう。その後八年禁煙を続けたが、一年程の母との同居でまた手を出してしまった。しかし、せっかく止めていたのだから、と肺には入れず、ふかすだけにしていた。パイプ、キセル歴が長いのでそれは慣れていた。ただ肺に入れない分、鼻や口内の粘膜からニコチンを取り入れるので、吸収量が少ない分、本数がどうしても増える。 前回の禁煙では、ブログに書くまで決心がいったが、今回は三日目にして書いた。まあ母さえ居なければなんとかなると踏んでいるのだが。あれ以上のストレスなどない。気になるのは、友人の〝止めるなら一回で〟である。確かに二回も三回も四回も変わらなく、彼のようにベテランとなってしまった経験からそういったのだろう。今回も、なにもブログに書くことはないではないか、と躊躇はしたが、当ブログは嘘は書かないが、都合の悪い事は書かない。という鉄の掟がある。かつて熱中した熱帯魚も糠漬けも、ある日突然書かなくなった。それだけの事である。

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昨日のブログにフェイスブックで書き込み頂き、私も「女性のカワイイ!」は「オイシソウ!」に聞こえる、とつい余計な事を書いてしまった。飲酒しながらの書き込みは慎まなくてはならない。本日のブログは、私にはなんでそう聞こえるのか、について書き始めたのだが、カニバリズムに類するとても怖い話しなので、次号の『タウン誌深川』に書く事にした。 三島由紀夫が様々な様子で死んでいる『椿説男の死』は、時代物バージョンは、聖セバスチャンの殉教調の『椿説弓張月』より武藤太の白縫姫によるなぶり殺しの場に決めた。何度か書いたが、捕り方に追い詰められ、と言うのをずっと考えていたが、三島作品、または関連のエピソードに元ずく、と言う趣旨から外れてしまう。 初めて当ブログをご覧になる方は、何のことやらさっぱり判らないだろう、とこれでも申し訳ないと常日頃、気に病んではいるのだがのだが、こんな事をやろうなんて私だけだろう、と思う時、私は幸福である。

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『蜜のあはれ』の作家〝おじ様〟と金魚だが、作中、金魚のような少女のような。なにしろ金魚なのに銀座に買い物に行ったりする。映画では二階堂ふみが金魚役である(未見)犀星の懐辺りを大きな金魚がヌルリと出入りする、なんて書いていて、いかにも私の考えそうな事である。若干気持ち悪い。しかし着想当時、まさか写真の醍醐味である陰影を排除する事になるとは夢にも思わず。幸いにも、その手法では、ヌルリとした質感は出ない。 金魚に関しては、歴史ある金魚問屋であり展示会場である『金魚坂』からどんな金魚でも用意する、と言われている。せっかくだから二階堂ふみより可愛い金魚を選ぶ事にしよう。着想当時、制作のため、金魚について知ろうと初心者向けの『金魚の飼い方』を読んだら〝金魚に名前を付けてはいけない〟と書いてあった。ある時、私と熱帯魚仲間二人で、友人に「お前も何か飼ったらどうだ?」 と話していた。しかし彼は小学生の頃、飼っていた金魚に死なれ、それ以来飼う気はないという。「金魚に名前付けてたろ?」「付けてた。」「やっぱり。」彼は釣り用に免許まで取って買ったボートに、その金魚の名前を付けたと言う。子供時代とはいえ、金魚一匹に死なれ、どれだけ悲しかったんだよ、と言う話しである。判ったもう良い、ボートの名前は聞かないでおいた。

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『蜜のあはれ』の作家〝おじ様〟と金魚だが、作中、金魚のような少女のような。なにしろ金魚なのに銀座に買い物に行ったりする。映画では二階堂ふみが金魚役である(未見)犀星の懐辺りを大きな金魚がヌルリと出入りする、なんて書いていて、いかにも私の考えそうな事である。若干気持ち悪い。しかし着想当時、まさか写真の醍醐味である陰影を排除する事になるとは夢にも思わず。幸いにも、その手法では、ヌルリとした質感は出ない。 金魚に関しては、歴史ある金魚問屋であり展示会場である『金魚坂』からどんな金魚でも用意する、と言われている。せっかくだから二階堂ふみより可愛い金魚を選ぶ事にしよう。着想当時、制作のため、金魚について知ろうと初心者向けの『金魚の飼い方』を読んだら〝金魚に名前を付けてはいけない〟と書いてあった。ある時、私と熱帯魚仲間二人で、友人に「お前も何か飼ったらどうだ?」 と話していた。しかし彼は小学生の頃、飼っていた金魚に死なれ、それ以来飼う気はないという。「金魚に名前付けてたろ?」「付けてた。」「やっぱり。」彼は釣り用に免許まで取って買ったボートに、その金魚の名前を付けたと言う。子供時代とはいえ、金魚一匹に死なれ、どれだけ悲しかったんだよ、と言う話しである。判ったもう良い、ボートの名前は聞かないでおいた。

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永らく制作していると、何が良いといって、重ねて来た失敗時のデータ量であろう。特に私のような独学者はこれが頼りである。ここまで失敗をくり返してくると、初めての失敗というものがのがほとんど無くなって来て、どうして良いか判らず、固まってしまうという悪夢を観ることもない。記憶のデータをたぐれば必ずどこかにある。だがこれは、完成をただ祈るのみ、という手法?である人形制作の場合であって、写真の場合は時々手法を変えるので、失敗のデータも経験して蓄積して行かないとならない。 室生犀星の『蜜のあはれ』を着想した当時は、後にまさか写真の主要な醍醐味である、陰影を排除することになるとは夢にも思わず、犀星の懐から大金魚がヌルリと顔を出す所をイメージしていて、むしろ老作家とヌルリ自体が面白いとさえ思っていたのだが、陰影がないのだから、ヌルリの艶表現は出来ないこととになる。初めてやることは、それはそれで面白い。しかしこの新手法にしても、グルーブ展の出品作を会期中に二度も差し替えるという大失態を演じてしまったが、失態に〝大〟が付いた分、得る物も大きかった。

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新作は久しぶりである。そもそもすでに頭部が出来ている人物以外、新たな人物は作らない、と言っていたのに前言撤回となった。一応恥ずかしくはある。何故こうなったかは決めた当日のブログに書いたが、何年か前、老作家と金魚の奇妙な日常を描いた『蜜のあはれ』を勿論作家を犀星で、金魚は本物を使ってやるつもりであったが、映画に先を越されてしまって止めた。(大杉漣・二階堂ふみ)そうこうして飲み仲間であるMさんから、紹介したい所がある、と言われたのが本郷で金魚の卸売業を永らく続ける『金魚坂』であった。随分前になるが、江戸川乱歩作品のために本郷辺りをうろついていた事があり、コンクリート製の水槽の金魚を覗いた記憶があった。金魚坂と聞いた時点ですでに予感があったが、ドアを開ける時には犀星を作る事になってしまうだろうと思いながら入った。 私はいつも言うように、こういった偶然には何も考えずに乗る事に決めている。であるから、紹介者のMさんが、私と犀星、また『蜜のあはれ』について何も知らなかったかった事が肝腎なのである。何故かは判らないが肝腎で、例えばMさんが犀星ファンであったり、私と『蜜のあはれ』の経緯を知っていたとしたら、着地点は多少違っていただろう。偶然であればあるほど何かが取り込まれ、結果は面白い。なんでそうなのか、については私自身はサッパリ判らない。大杉漣がロケに来た時の写真が貼ってあったが。それに向かって『やっぱりこんなことになっちゃったよ。』

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三島は5歳の時に坂を降りて来る逞しい糞尿を運ぶ青年を見て、〝彼になりたい〟と思う。この~になりたいを実現する第一歩はボディビルであったろう。外遊により太陽や肉体に目覚めたみたいに言っているがそれは、きっかけがなかっただけで幼い頃からずっと憧れて続けていたことであろう。 『男の死』のラインナップは、私の知る限りでは聖セバスチャン、兵隊、魚屋、ヤクザ、体操選手他のようである。その嗜好は『仮面の告白』にすでに述べられている。映画『からっ風野郎』で嬉しそうに無教養なアンポンタンヤクザを演じた三島だが、死の直前外見だけは『男の死』により〝なりたかった彼〟になれたということであろう。しかしボディビルで鍛えた外見だけの筋肉が中身がひ弱かったように、いくら外見がヤクザじみようと中身の教養は胴体から切り離されるまではいかんともし難かった。 以前、鈴木邦男さんにお会いした折、気になっているある事について質問させて頂いた時の答えが「盾の会の連中は本なんか読みませんから。」であった。

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早朝、旧知のフリーの映画プロデューサーYさんから「ロッケンロール死す。」とメールが着て、ついで電話。仕事柄安岡力也など親しかった。ある日安岡力也に連絡したら昨晩銀座で飲んでいたので来れば良かったじゃないか、と。メンバーを聞くと勝新太郎、小林旭、内田裕也、安岡力也、佐藤蛾次郎。それは良いなぁ、と思うのは素人である。Yさん曰く「絶対嫌だ!」聞くと小林旭が内田裕也に絡み始め、その後に佐藤蛾次郎がこうむった事態を聞くと、行かないで大正解と素人でも思った。色々面白いと書き始めたが、こんな所で書けない話しばかりなので止めておく。ロッケンロールはともかく『ブルージーンと革ジャンパー』は良く聴く。合掌。 ここ数日探していた資料があるのだが、いくら探しても在庫がなく、ネット上には古書も見つからない。取り寄せに二週間はとても待てない。出版社に直接出向いて、と問合せすると倉庫から取り寄せ一週間だという。倉庫まで取りに行きたい、を何とか飲み込み、倉庫からの発送を頼んだ。私は例えば部屋の片付けなど、サグラダ・ファミリアの建設工事が如き優雅さを見せるが、作る事に関すると別人の様にせっかちに変身する。上手く行かない物である。

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架空の黒人人形を作っていた頃は、肖像権に触れないせいであろう、何かと使われたが、タバコ産業の駅貼りのB全ポスターなど今では考えられない。私ほど作品にタバコをくわえさせ、持たせて来た人間はいないだろう。しかしもっと見ようと、埃にまみれロールに巻いたポスターを解いたらろくな事がないので止めた。 化石発掘など、同じ地層に同時代のものか埋まっているように、ないと思っていた82年初個展の写真が出て来た。当時写真に興味がないから、写真で遺そうという発想自体がなかった。誰かが撮ってくれた物であろう。この時のDMは、カメラを持っている先輩と二人でファインダーを覗きながらああだこうだ。Zライト一灯であった。私は自分が乱視であることを知らなかったので、ピントが合わず、はなから写真をやる気は無かった。 これは珍しい懐かしい、となるかと思いきや、一瞥の後に段ボール箱へ。さすがに捨てはしないが、終わった作品に対して私は実に冷たい。特に最近は写真に収めたとたん、くるりと背を向けタバコ一服の口である。あくまで作品の話しである。

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トリュフォーの映画に『アメリカの夜』という作品がある。アメリカの夜とは映画用語で、フィルターをレンズに着け、昼間に疑似の夜景を撮影することを言う。 拙著『乱歩夜の夢こそまこと』において、月光がもたらす恐怖を描いた『目羅博士の不思議な犯罪』で、真っ昼間に撮影し、その太陽光を月光に見立て、夜景に変えた。乱歩作品の中でも独特の味を持つ目羅博士の〝月光の狂気〟を描くには、実際に夜間に撮影するより効果的であったろう。以来、夜だ満月だ、というとこれ専門で、人形を被写体とする限り正直に夜景を撮影することは滅多にないだろう。 ところで『椿説弓張月』で、金に目がくらみ、為朝を裏切った武藤太が、白縫姫に命じられた腰元達に竹釘を打ち込まれるシーンは月夜だった気がするが、陰影を排除する手法では、もはやアメリカの夜でもなく〝行灯があるから、月があるからすなわち夜である〟という浮世絵の手法で行く。 それにしても友人のTさん。たかが私の作品のためにホントにぶら下がらなくてもいいよといったのに、3秒くらいならなんて言うから。
 

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