固定電話はただ置いてあるだけになっているので、契約解除の手続きをしようとしていたら、携帯電話が壊れる。充電しようとしても反応がない。こんなときは絶対そうだ、と調べたら案の定、今日は携帯屋の定休日である。パソコンのプリンターについで嫌いな機械である。もう一つあった。あらゆる機械のリモコン。とにかく間違いなくすぐ壊れる。 午前中、向かいの小学校から聴こえる下手糞な『ラブミー・テンダー』が耳についてイライラする。よくこれほど小学生のリコーダーに向いていない曲を選んだ、と逆に感心したくらいである。運動会で流す『あなたのとりこ』といい、どうも教師の中におかしなのが混ざっている気がする。
『大乱歩展』に出品用の『D坂の三人書房』の色見本を作りに田村写真へ。これは『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎)用に制作したものだが、大正時代の団子坂は(正確にいえば団子坂上)かなり暗かったろう、店内は電球色を意識してかなり赤くしたのだが、うかつなことに店内から団子坂にもれる光を赤くしていなかったので、今回はそれを直した。欲をいえば、イタズラにショウケースに並べた三大奇書のサイズが適当なのだが、乱歩経営の三人書房にそれらを並べた、ということだけで一人ウキウキしていたので良しとした。それにしてもフォトショップのベジェ曲線を一度も使わず、プチプチと切り抜いて合成したレイヤーは軽く100を越えていたから、今思うと良くやったと呆れるが、それというのも、初登場の明智小五郎が向かいの白梅軒から、室内ではすでに女房が殺害されている三人書房を見ている、というシーンを予定していたので苦にならなかったのであろう。 田村写真では、田村さんが造形作家を撮影した8×10インチのプリントに魅入る。結局アプラナート(アナスチグマット登場以前の2群4枚の対照型レンズ)の大絞りだなと再確認。エミール・ブッシュのラピッド・アプラナートは数種確保しており、ケースの中で有事を待っている。1群1枚、これがまた満更じゃないから、レンズの開発の歴史とはなんだ、という気がする。
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