三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

28MHz帯FMトランシーバ(その2)

2024-06-14 15:50:58 | 日記
28MHz帯FMトランシーバにつきましては4月21日に投稿したところです。このたびそれを調整・修理したのでご報告します。
まず,初めてお読みになるの方のためにその外観をご覧いただきましょう。

小さなもので,車載用トランシーバーとして設計・製造されたものでしょう。

さて,前回の記事でも触れましたが,
①14MHz付近に無視できないスプリアス
がありました。また,その後の点検で
②周波数偏移が過大
であることが判明しました。

スプリアスについてはハイパスフィルタの挿入で解決しようと考えました。しかし,まずは送信回路が最良の状態になっているかどうかが問題です。そこでトリマを調整した結果スプリアスは綺麗に消えました。(スペクトルの写真を撮るのを忘れた!)

つぎに,最大周波数偏移の件です。
回路上目星をつけて可変抵抗を調整したのですが,収まりませんでした。何しろ回路図がないので詳しい検討ができません。そこで,対症療法で臨むことに。テスターで抵抗値を測りながら回転させますが,抵抗値が安定しません。何より,右一杯または左一杯に回し切っても抵抗値が0にならないのです。

上の写真の左側の赤丸で囲んだ部分が問題の可変抵抗です。(実はこれは交換後の写真です。)

可変抵抗器を取り外しました。

写真の上側が外した可変抵抗で,下側が代用の可変抵抗です。取り替えたところ無事調整できました。

ところで,送信に関してはスプリアス,周波数偏移ともによくなったのですが,何と!受信できなくなりました。Sメータは振れているので受信回路は正常と思われます。すると,スピーカを含む低周波回路付近に問題が発生したのでしょう。
まずはスピーカを駆動する集積回路の電源端子を調べたところ,電圧がかかっていません。ジャンパー線で接続されており,たどっていくと‥‥

ジャンパー線が抜けていました。赤丸で囲んだ部分です。2枚目の写真では赤矢印で示されている部分です。これはメーカー製造時のはんだ付けに問題があったものでしょう。
はんだ付けして解決しました。
以上

トリオ TS-530V の手入れ(2)

2024-06-07 16:23:15 | 日記
TS-530Vの手入れを続けています。今回はケースの塗装とリレーの交換の話です。

本機の前面には多目的のメーター(指示計器)が付いています。スイッチの切り替えにより,
①ALC, ②IP, ③RF, ④HV
のいずれかの値を表示させることができます。いずれも送信時に必要な諸量です。受信のときはこのスイッチの状態とは無関係にSメーターとなります。アルファベッドの記号ばかりで何のことかお分かりにならないでしょうが,まあ,ここでは説明は省略いたしましょう。ただ,受信時のSメーターとは受信した信号の強さを表すものだということだけ申し添えます。

このメーターの指示が不安定なのです。外部から推測すると,どうも送信/受信の切り替えリレーの接触不安定のように感じられます。そこでこのリレーを調べ,必要なら修理/交換することにしました。
上蓋を外しました。下の写真の左側のプリント基板の上部に問題のリレーが実装されています。

今回は写真に目印を付けなかった(付けるのを忘れた!)のでわかりづらいかと思います。写真の上の方に丸太(電解コンデンサ)が4本並んでいますが,その一番右側の丸太のすぐ下の長方形の部品がリレーです。透明プラスティックのケースに覆われていますので光を反射して輝いています。

このままの状態ではリレーの点検などできませんので,そのプリント基板(IF基板)を取り外しました。

紙フェノール製の片面基板ですね。リレーはどれか?もうお分かりいただけますね?

リレーをプリント基板から取り外して動作チェック。すなわちコイルに直流12Vを印加して接点間の導通(抵抗)を確認しました。すると,ON/OFFするたびに抵抗値が変化しています。接点チップが汚れているのでしょう。

接点を磨いてやりましょう。そのため透明プラスティックのカバーを「強引に」はずしました。

接点が見えますが,問題の接点は中ほどに位置していて手が届きません。実際は「手」,「指」などではなく,細いマイナスドライバーの先とか,紙やすりとかを接点に接触させようとしたのです。磨くのは諦めて細いラジオペンチで接点部分を強引に曲げたのですが,結果は芳しくありませんでした。

では,交換。
しかし,同じ仕様の物が手元にありません。インターネットでも探したのですが見つかりませんでした。組み合わせて機能的におなじものを作るしかありません。リレーはトランスファー接点4回路です。手許には大きさから適合するものとしては2回路のものしかありません。そこで,2個をプリント基板に実装して構成することにしました。

組み立てて実装しました。

上の写真で小さい黒羊羹のようなリレーが2個基板に取り付けられているのがお分かりいただけますか?その左側に見えるのはダイオードです。元の回路にはダイオードが付いていませんでした。すると,リレーのコイルに通じる電流を切った瞬間に高電圧が発生します。これはいけません。ダイオードでこのサージ電圧を抑えるのです。

さて,組み戻して特性を確認。ばっちりです。

ケースの塗装が綺麗になっていることがお分かりいただけますか?灰色が少し明るすぎたようです。

手入れはまだまだ続きます。
以上

トリオ TS-530V の手入れ(1)

2024-06-03 18:36:37 | 日記
トリオ(TRIO,その後の KENWOOD)のTS-530V というトランシーバがわがシャックに転がり込んできました。今から40年ほど前の製品で終段が真空管式の短波帯トランシーバです。型式からして TS-520V の後継機種でしょう。
TS-520V との違いは,大きく2つあるようです。その一つは「10MHz, 18MHz, 24MHz帯に対応」していること。そして,もう一つは受信回路が「シングルスーパー」ということでしょう。

そんな細かいことよりまずは外観をご覧ください。

正面から見たところです。TS-520V とあまり変わっていないようですが,周波数表示がデジタルになっています。7セグメントで表示されているのがお分かりいただけるでしょう。そして,高さが 25mm ほど低くなっています。

背面です。

今後の手入れを円滑に行わせるためにまずは以下の3件の変更を加えました。
(1)アンテナコネクタ(M型)をBNCに取り替えました。(右向き矢印の先)
(2)つぎに電源コードをコネクタ接続にしました。(上向きの矢印の先)
(3)さらに冷却ファンを取り付けました。(下向き矢印の先)
いずれも電波の質に影響するものではありません。
このうち,(3)は必須ではありませんが,温度はあまり高くならない方がいいに決まっています。ファンは TS-520V のものから取ってきました。

取り敢えず,全バンドとも何とか送受信ができています。ただ,つまみ(軸)にガタがあったり,メータの指示が不安定だったりと言った問題があります。
これからぼちぼち手入れして,その過程を楽しみたいと思っています。
続編をお楽しみに。
以上

福智山頂は山つつじの花が満開

2024-06-02 04:57:05 | 日記
きのうから6月。もう夏。
きのう6月1日は「電波の日」でした。1950(昭和25)年に現在の電波法・放送法が施行されたことを記念するものです。無線通信に携わるものとしては特別な日。毎年この日は屋外で移動運用する(気でいるの)のですが,きのう,いやことしも果たせませんでした。その代わりいつもの福智山(ふくちさん,ふくちやま=901m)に。

きのうはいつもより早く,午前8時にはいつもの上野(あがの)登山口を出発しました。今回は尾根コースではなく,谷コースを。
およそ1時間30分ほどでいつもの「山の岩」が見えてきました。その周辺ではヤマツツジの花が満開の様子です。

上の写真です。ちょっと見づらいでしょうか?

もう少し高度を稼ぎ,斜面からの様子です。

「山の岩」はここから見ると何なる岩に過ぎませんね。九重のミヤマキリシマには遠く及びませんが,それでも群落と言っていいと思います。

つつじの株に接近して撮りました。

赤の鮮やかさを抑えたこの色がいいですね。

頂上で一休み。故郷の霊峰英彦山(ひこさん=1,200m)がかすんで見えます。
目を南東の方角に向けるヤマボウシの花が目につきました。この花を近くで見て下山することに。

ヤマボウシの花です。中央やや右に赤い花があります。毎年この株には赤い花が少しだけ咲きます。ヤマボウシの花は純白なところがいいのですが,その中にこのように赤みを帯びた花があってもいいですね。

余談ですが,帰宅後短波帯で北海道の局と交信しました。
毎年この時期は電波の飛びが良くなるのですが,ことしはどうも駄目なようです。ぎりぎり届いているようでした。それでも電波の日の責任(?)を果たした気持ちです。
以上