まずは前回の記事の訂正です。
前回は大変大きな間違いをおかしていました。タイトルの文字が違っていたのです。
訂正してお詫びいたします。
誤 著中見舞い
正 暑中見舞い
著と暑は一見よく似ています。最近は目が悪くなって細かい違いを見分けるのが苦手
になりました。さらにパソコンの画面を見つめていると格段に視力が衰えます。どう
にもなりません。今回は単なる「おっちょこちょい」では片づけられない現象でした。
さて,振幅変調の送信機を組み立ててその波形とスプリアスを観測しましたのでご報
告です。まずは送信機の外観をご覧ください。
組んではバラし,また組んではバラしているうちにこんな形になってしまいました。
真空管はミニチュア管で3球です。発振と電力増幅は6AW8-Aという複合管。三極部
で水晶発振させ,五極部で電力増幅です。元来電力増幅用ではありませんので,出力
は1W(ワット)ほどが精一杯です。電信(モールス符号)だけならこの1本でいいの
ですが,今回は電話も送信できるようにしたため変調回路がついています。
まず,12AT7という双三極管で音声信号を増幅します。その増幅された信号で電力増
幅管して変調チョークを介して6AW8-Aのプレート・スクリーングリッド同時変調を
かけています。変調チョークというと恰好いいのですが,これはスピーカ駆動用の出
力トランスです。
まず,無変調の出力信号波形を観測しました。
この波形だと単なる帯にしか見えませんね。時間軸を拡大して見ました。
このオシロスコープではこれが精一杯です。7.055MHzの高周波信号です。これのスペ
クトルは下の画像のとおりです。
約7.055MHzのところに1本だけ立っています。これが基本波,搬送波です。電信なら
この信号を断続するだけでOKです。
1kHzの信号で変調をかけてみました。波形は下のとおりです。
2番目の写真の帯状の高周波が1kHzの信号で変動しているのがわかります。教科書な
どではおなじみの波形ですが,自分で実際に観測したのはこれが初めてです。
無線は少年時代から楽しんできましたが,当時はオシロスコープなどの高価な測定器を
持っていませんでした。ましてや貧乏なわが家では測定器と言えばテスター(回路計)
が唯一のもの。組み立てて電波が出たらそれで万々歳でした。
そのスペクトルです。
搬送波の両側に突起があります。これが1kHzの信号成分です。これも教科書などの書
物に出てくるのですが,自分で見たのは初めてです。軽い感動を覚えました。
変調を少し深くしてみました。(1kHzの信号の振幅を大きくしました。)
すると,搬送波の両側にたくさんのスプリアス(不要成分)が見られました。
これはいけません。一般に過変調にするとこのようなスプリアスが出てくると言われて
いますが,ここでは過変調にはしていません。するとどこかに非線形な部分があるに違
いありません。
これまで理論的・定量的にはほとんど検討していません。これから上記の非線形部分を
探索して解決しなければなりません。
楽しみは尽きません。
以上
前回は大変大きな間違いをおかしていました。タイトルの文字が違っていたのです。
訂正してお詫びいたします。
誤 著中見舞い
正 暑中見舞い
著と暑は一見よく似ています。最近は目が悪くなって細かい違いを見分けるのが苦手
になりました。さらにパソコンの画面を見つめていると格段に視力が衰えます。どう
にもなりません。今回は単なる「おっちょこちょい」では片づけられない現象でした。
さて,振幅変調の送信機を組み立ててその波形とスプリアスを観測しましたのでご報
告です。まずは送信機の外観をご覧ください。
組んではバラし,また組んではバラしているうちにこんな形になってしまいました。
真空管はミニチュア管で3球です。発振と電力増幅は6AW8-Aという複合管。三極部
で水晶発振させ,五極部で電力増幅です。元来電力増幅用ではありませんので,出力
は1W(ワット)ほどが精一杯です。電信(モールス符号)だけならこの1本でいいの
ですが,今回は電話も送信できるようにしたため変調回路がついています。
まず,12AT7という双三極管で音声信号を増幅します。その増幅された信号で電力増
幅管して変調チョークを介して6AW8-Aのプレート・スクリーングリッド同時変調を
かけています。変調チョークというと恰好いいのですが,これはスピーカ駆動用の出
力トランスです。
まず,無変調の出力信号波形を観測しました。
この波形だと単なる帯にしか見えませんね。時間軸を拡大して見ました。
このオシロスコープではこれが精一杯です。7.055MHzの高周波信号です。これのスペ
クトルは下の画像のとおりです。
約7.055MHzのところに1本だけ立っています。これが基本波,搬送波です。電信なら
この信号を断続するだけでOKです。
1kHzの信号で変調をかけてみました。波形は下のとおりです。
2番目の写真の帯状の高周波が1kHzの信号で変動しているのがわかります。教科書な
どではおなじみの波形ですが,自分で実際に観測したのはこれが初めてです。
無線は少年時代から楽しんできましたが,当時はオシロスコープなどの高価な測定器を
持っていませんでした。ましてや貧乏なわが家では測定器と言えばテスター(回路計)
が唯一のもの。組み立てて電波が出たらそれで万々歳でした。
そのスペクトルです。
搬送波の両側に突起があります。これが1kHzの信号成分です。これも教科書などの書
物に出てくるのですが,自分で見たのは初めてです。軽い感動を覚えました。
変調を少し深くしてみました。(1kHzの信号の振幅を大きくしました。)
すると,搬送波の両側にたくさんのスプリアス(不要成分)が見られました。
これはいけません。一般に過変調にするとこのようなスプリアスが出てくると言われて
いますが,ここでは過変調にはしていません。するとどこかに非線形な部分があるに違
いありません。
これまで理論的・定量的にはほとんど検討していません。これから上記の非線形部分を
探索して解決しなければなりません。
楽しみは尽きません。
以上