三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

見れども見えず

2016-05-28 10:43:45 | 日記
昨日フリーマーケットをのぞいてきた。
わたしの望みの物はなかったが,ふとこけしに目がとまった。段ボール箱の中に大小合わせて10体以上転がっている。その中の一番大きいのを取り出して「いくら?」と聞くと,「500円」とのこと。店主は続けて「大きいのがもう一つあるやろ。2つ合わせて1,000円や。」と言う。わたしが買うとも買わないとも即答しなかったら,更に「ウーンか?では800円でいい。」と値を下げてきた。
ウーンと言った覚えはないが,流れで買ってしまったのが下のこけし。

一つのこけしの首を持ってひねると少し回った。すると,このこけしは鳴子系ということになるのだろうか?ごく最近知ったのだが,首が回るのは鳴子系の特徴だそうだ。わたしは,こけしはすべてそうだと思っていた。
上の写真を見ると彩色が薄れていると思われるであろう。伝統的なこけしは植物から抽出した染料を使うのだそうだ。(ただし,黒だけは墨を使うとのこと。)年月の経過とともに色が薄れるのは自然の染料を使っているためであろう。
買ったこけしの底には工人のものと思われる署名(?)があった。

一方は健吾だと直ちに読めた。
しかし,もう一方は?谷?男としか読めない。それでも創造をたくましくすると,?谷和男らしく思えてきた。名字の最初の文字は以前見たことがあるのだがどうしても思い出せない。
そこでインターネット!
「こけし 和男」と入力すると出てきた。森谷和男に間違いなかろう。鳴子系の工人だということも説得力がある。
もう一人の健吾さんは,やはりインターネットで大沼健伍さんだとわかった。作品の署名には健吾と書くという説明があり,やはり鳴子系の工人。
インターネットはすごい!
ところで,この2体のこけしを買った後フリーマーケットの会場を回ると,何と複数箇所でこけしが出品されていた。まさか,昨日だけ特別にこけしが出品された訳ではあるまい。とすると,これまでもこけしが何体も転がっていたことになるが,全然目に留まらなかった。意識とか認識と,あるいは関心とかはすごい力が伴うものだと改めて認識した次第。
さて,この2体のこけしをどうするか?娘に進呈しようとしたらやんわりと断わられた。