かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版  馬場あき子の外国詠 85(スペイン)

2018年09月18日 | 短歌一首鑑賞
 ブログ版馬場あき子の外国詠10(2008年7月9月実施)
   【西班牙 2 西班牙の青】『青い夜のことば』(1999年刊)P55~
    参加者:N・I、M・S、崎尾廣子、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:T・H    司会とまとめ:鹿取 未放


85 仰ぎみる尖塔は鋭く空を刺し聖なるものは緑青噴けり

     (レポート)
 84と同じく今一度、紺碧の空に鋭く突き刺さっている教会の尖塔を採り上げる。その尖塔は一神教の強さ、信仰心の深さ、精神力の強さを表している。なぜ聖なるものが緑青を噴いているのか、日本の社寺でも古く由緒ある建物には緑青がふいている。2000年の歴史の中で、キリスト教はますます緑青をふき、健全なのか。(T・H)


      (まとめ)
 救い主のいる天に向かって伸び続ける尖塔も、それらが緑青を噴くまでになっているのも、キリスト教というものの過剰さゆえであろう。下の句はその過剰さを感じ取っての表現だろう。(鹿取)