かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 渡辺松男の一首鑑賞 2の102

2018年09月09日 | 短歌一首鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究2の14(2018年8月実施)
    【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:泉真帆    司会と記録:鹿取未放


102 らっきょうのように濡れているはだか 一年生が湯舟から立つ

      (レポート)
 これもまた技巧の優れた鮮やかな一首だとおもう。言葉を少しずつズラしながら詠っている。〈らっきょう〉ときくと一般に臭いや味を思うかもしれないが、一首は「濡れているはだか」だという。そのつやつやとして少々硬質ならっきょうを想起させておいて、一字アケのあと、湯舟から上がってほやほや湯気でも立てていそうな一年生の張りのある瑞々しい体が登場する。カメラワークといい、触感といい、実に鮮やかな秀歌だとおもう。(真帆)


      (当日意見)
★一年生がいいですね。やわらかそうでつるんとして。(T・S)