かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 渡辺松男の一首鑑賞 2の105

2018年09月12日 | 短歌一首鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究2の14(2018年8月実施)
    【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆    司会と記録:鹿取未放


105 等圧線くにゃくにゃとある妙な天気鯰のあたまのなかの暖冬 

     (レポート)
 104番歌(おんなのこは鮠(はや)男の子は鯰鯰のゆめはどきどきと鮠)で鯰は男の子の喩として詠われているので、男の子の頭の中に天気図の等圧線が示すような「くにゃくにゃとある妙な天気」のあることが読者には想起され、結句の「暖冬」が一首を決定づけているだろう。「春」ならば単にエロスとも思えるが、冬の中の暖かさとあってそのぽっかりした気分が味わえる。(真帆)


      (当日意見)
★思春期の男の子の頭の中ってくにゃくにゃしてきっとこんな感じなのね。暖冬がいいですね。(A・K)