馬場あき子の旅の歌【砂の大地】『飛天の道』(2000年刊)189頁
参加者:N・I、Y・I、T・S、曽我亮子、鹿取未放
レポーター:N・I
司会とまとめ:鹿取 未放
242 しづしづと沙漠広がるまひるまの砂の音ちさく笑ふ声する
(まとめ)(2010年10月)
一読、砂の笑いがかわいらしく太平の歌のようだが、次の243番歌と合わせて読むと、不気味で恐ろしい歌だということが分かる。沙漠が広がるのは夜でなくまひる、しかも荒々しくではなく「しづしづと」であるところがかえって怖い。広がりつつ小さく笑う砂が、やがて人間界を席巻し尽くすのであろう。(鹿取)
(レポート)(2010年8月)
茫々とした真昼間の沙漠は無音、砂の動くさまを笑う声と捉えたところがポエムだと想います。
(N・I)
(意見)(2010年8月)
★初句で能が浮かんでくる。沙漠と合っている。(T・S)
★この日は風が無かったのではないか。よけいに静かな感じがする。(曽我)
★風というより空気感である。(N・I)