かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 渡辺松男の一首鑑賞 2の99

2018年09月06日 | 短歌一首鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究2の14(2018年8月実施)
    【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
     参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆    司会と記録:鹿取未放


99 おさなごは苔の花見ていたるらし無口なるこのおさなごの瞳は

     (レポート)
 瞳が無口、という。こういうところが実に巧みな表現の技なのだとおもう。説明的にならない表現を、いつも渡辺松男の歌に学ぶ。つぶらな瞳、寡黙な瞳。その瞳が植物の小さ花を「ふしぎ(・・・)」と思い観察している。結論を述べるのでなく、景を見せて語る技をおもう。(真帆)


     (当日意見)
★「無口なる」は「瞳」ではなく「おさなご」に掛かると思います。(鹿取)
★苔の花って具体もなかなか普通出てこないものですね。(真帆)