かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠321(ネパール)

2014年10月19日 | 短歌一首鑑賞
馬場あき子の旅の歌【ニルギリ】『ゆふがほの家』(2006年刊)83頁
                    参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
                    レポーター:T・H
                    司会とまとめ:鹿取 未放


130 真夜さめて七千メートルの処女峰の月光を浴ぶむざねと対す
 
      (まとめ)(2009年1月)
 カーテンが開いていたのだろうか、目が覚めると月の光に照らし出されたニルギリが見えた。まるで、月の光に呼ばれたような印象を受ける。処女峰であるニルギリが煌々と照る満月の光を受けて神々しく輝いている。真夜で起きている人とてなく、一人月光に照り輝く処女峰を眺めていると、おそらく自分にだけ山が真実の姿を開示してくれたと思えたのでは無かろうか。〈われ〉は、震撼しながら山の「むざね」とむきあっているのである。(鹿取)


      (レポート)(2009年1月)
 今、馬場先生はムスタンの宿にご就寝中、フト夜中に目が覚められた。窓からは眼前に七千メートル級の白雪を被った高い峰が月光を浴びて煌々と輝いているのが目に入った。ニルギリは北峰(7061メートル)と南峰(6839メートル)とがある。そのどちらを眺めているかわからないが、これら両峰はいずれも地元住民の反対があって、いまだ未踏峰である。「むざね」と対す……馬場先生は今、何万年前か、インド大陸がユーラシア大陸にぶつかってヒマラヤができた、その生まれたままの姿のニルギリと対峙しておられる。自分の全存在を賭けて対峙しておられる。そこでは人間の小ささ、有限な人間の命など、もろもろの感慨があったことだろう。ここには悠久の地球の歴史と人間の儚い命との対峙がある。(T・H)


      (意見)(2009年1月)
★インド大陸がユーラシア大陸にぶつかったのは7000万年くらい前だと読んだ記憶があります。最 
 もヒマラヤが今の高さに落ち着いたのは2000万年前~数万年前と諸説があるみたいです。
(鹿取)


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2 コメント

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ニルギリ (泉真帆)
2014-10-19 11:02:48
ねいじゅ http://ameblo.jp/fuuboku-kamakura/ に行ってきました。渡辺泰徳さんのブログから紅茶つながりで「ニルギリ」を思い出されたお話がおもしろかったです。ニルギリ山を思いつつニルギリTeaを飲む。涼しいお味なんでしょうね~。
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コメント、ありがとう (鹿取 未放)
2014-10-21 00:16:12
真帆さま、コメント、ありがとう!
ニルギリは100グラム400円程度で買えるようです。
今度、いっしょに飲みましょう。
今後とも、ブログよろしくお願いします。
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