かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠286(トルコ)

2016年04月06日 | 短歌一首鑑賞

 馬場あき子旅の歌38(11年4月) 
     【遊光】『飛種』(1996年刊)P126
     参加者:N・I、曽我亮子、藤本満須子、鹿取未放
      レポーター:N・I
     司会とまとめ:鹿取 未放


286 糸杉は太りしばしばも道に立ち人死ねば柩となるをトルコに

        (レポート)
 糸杉は天にも届くほどに伸びる大樹。そんな木が折々の道に立っている。戦の長かった歴史の国から、この木も棺の材料になったのだろう。(N・I)


      (当日意見)
★杉や檜で日本でも棺を作る。(藤本)
★「柩」は、前年にトルコ旅行の途中亡くなられた義理の妹さんからの連想もあるのかもしれない。 ゴッホの絵などから糸杉は細いものと思いこんでいたが、ここの糸杉は柩を作れるくらい太って いて、道ばたのそこここに立っている、というのがちょっとした驚きだったのだろう。かなりの 字余りだが下の句は気にならない。上の句は「も」をわざと入れている。(鹿取)