私が本格的にBeatlesを聴くようになったのは中学校3年からである。
その時には彼らはすでに解散していた。
もちろんレコードの時代で、シングルは45回転、LPは33回転だった。
しかし、表現性に富んだアルバムジャケットも魅力のひとつだった。
それまでもその音楽には触れていたとは思うのだが、自宅で初めてレコードプレーヤーにかけたのはLET IT BEだったと思う。
その英語解説を辞書を引き引き訳した覚えがある。
一番聴いたのは、HEY JUDEだろう。
それこそレコードがすり切れるまで繰り返した。
ちょうどギターを始めた頃で、比較的簡単なコードだったのものめり込んだひとつの要因だろう。
E♭などが出てくるとお手上げになってしまったが、そのうちに3CapoでCに転調できるということを発見した。
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いわゆる赤盤青盤をはじめに買い、その後ひとつずつアルバムを聴いていくという順番だった。
今回、AIを使用した新曲が発表されることになり、それに合わせてこの赤盤青盤もリマスターされた。
AIを使用することにいろいろな意見があったが、今回はそれには触れないでおく。
私はどのようにこの新曲に向かい合うかをずっと考えていた。
何気なく、流れてくるのを聴くのではなく、自分なりのけじめのようなものを持ちたかった。
上記したように本格的に聴き始めてからは「新曲」には出会っていないため、初めての体験だからである。
実際、あるラジオ番組でこのNOW AND THENをかけることになって、あわててoffにしている。
これは時間の問題と思い、あらためて青盤を購入した。
自宅で、最後に収録されているNOW AND THENだけを聴いた。
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…まさしくNOW AND THENであった。
この間の時間の流れを一気にスキップするようなJohn Lennonの歌声だった。
しかし、やはりafter Beatlesの印象はぬぐえない。
私にとっての青盤の最後はTHE LONG AND WINDING ROADなのだ。
I miss youと歌うJohn Lennon。
このIは今(NOW)の私であり、youはその頃(THEN)の私なのだろう。
toko