遊戯三昧

いかに人生を楽しんだかという進行形の記録です。

一所懸命

2021年08月03日 | 歴史


中学校の頃、何かの発表で同級生が「一所懸命になって」(イントネーションとしては一所、懸命になってのように聞こえた。)と言う言葉を使用したときに、周囲に「一生懸命と間違えている」と失笑が起こったのを覚えています(ほんとに我ながら些細なことを覚えている。)。その発表内容の感想を書く際に「一所懸命は間違いではない。もともとそちらの方が正しい。」と書きました。
鎌倉時代の武士が先祖代々の土地(すなわち一所)を命をかけて戦い守るという意味を知っていたからです。

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しかし、平安時代後期から末期の院政時代、白河上皇の側近とのやり取りでこの用語が使われているのですね。ある武士とその側近が土地争いをしたときに、白川上皇が自分の見方をしてくれないことに不平を訴えたところ、「おまえは土地をたくさん持っている。彼はそれほど財産がなくその一所に命をかけている。」と諭したそうです。さらに「裁判にでもなって、かれが負けたら道理をわきまえぬ武士は何をするかわからないだろう。」とも語ったようです(古事談)。
これは鎌倉時代の「一所懸命」とはずいぶん違って「そこしかない」「そこにしがみついている」というニュアンスです。
その後武家社会が確立されるにつれて、使い方が変わってきたのだとは思いますが…



日本史の参考書にあたると、まさにそのことが記述されていました。
表紙にもちゃんと書いてあります(写真矢印)。

今日はとても暑く、外にも出ないでいろいろ本を読んでいたのですが、ひょんなことから昔の記憶がよみがえりました。
つまらないことでも何となく覚えていると、正しい知識を確認する機会になりますね。


toko



臥薪嘗胆

2021年05月23日 | 歴史


たまたま日露戦争のことを読んでいました。
日清戦争も日露戦争も言わばイギリス(アメリカ)対フランス・ドイツの代理戦争だったということがあらためて理解できました。
その頃のメディアはこぞって開戦の論調で、それに慎重な政府をおおっぴらに攻撃していました。
この辺の反省はどこかできちんとされているのでしょうか。

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日清戦争に勝利したものの、ロシア・フランス・ドイツのいわゆる「三国干渉」で遼東半島を変換しなければならなかった。
これに対して「臥薪嘗胆」という中国の故事を合言葉に反露感情が募っていったというのも、ある意味皮肉です。
ただ、今回勉強しなおして、あらためてこの言葉に行き着いた時に、中学校の社会の授業を思い出したことに驚きました。
「…ということで臥薪嘗胆という言葉が合い言葉になった。」という場面が眼前に現れたのです。

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そう考えてみれば、断片的なものの小学校・中学校の授業の場面で頭に浮かぶものも少なくありません。
そんなに真剣に聞いていたのではないのですけれどね。

toko

全く同じ

2021年03月02日 | 歴史


NHK大河ドラマを少し観てちょっと頭を整理しようと、先日ブログにアップした教科書と参考書とを開いてみました。



読み比べてみると文章や引用図などが全く同じでした。
写真の図は白黒とカラーの違いだけです。

参考書の分担執筆者のひとりが教科書の著者なのでおそらくは参考書の当該部分を担当したのでしょう。
出版社も同じなので著作権の問題は生じないのかもしれません。
しかし、わざわざ購入した者にとっては面白くありません。
もしこれが高校の教科書に使用されていて、さらに学習を深めたいとこの参考書を購入していたらどうなっていたでしょうか。
真摯な態度とは思えません。

toko




さまよえるユダヤ人

2021年01月31日 | 歴史


芥川龍之介に「さまよえるユダヤ人」という短編があります。
ゴルゴダの丘に向かうキリストに「とっとと行け」と言い「私は行くが,お前は私が帰ってくるまで待っていなければならない」と呪いをかけられ、永遠にさまよわなければならなくなったユダヤ人が果たして日本にも来たのではないか、というプロットです。



なぜ歴史的にユダヤ人が迫害され、パレスチナ問題等の中東問題が起きているのか。
わかっているようでわかっていません。
先日アップした世界史100問100答にそのようなテーマがあったので、それを皮切りに自宅にある本でいろいろ調べてみました。
高校時代の参考書から聖書まで遡ってみましたが、キリストの処刑に関する記述も「マタイ伝」と「ヨハネ伝」で違いがあるのですね。
完全な理解には至りませんでしたが、いろいろ勉強になりました。

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半強制的な自粛生活でも悪いことばかりではありません。

toko

世界史の復習

2019年12月08日 | 歴史



英会話教室で第一次世界大戦のことが出てきました。
英語で説明する前に、すっかり忘れていることに気がつきました。
ヨーロッパが主戦場だったこと、きっかけがオーストリアの皇位継承夫婦が殺害されたことくらいしか思い出せませんでした。

帰宅してから「もう一度読みたい世界史」(ちなみに高校はこの教科書でした。)で1時間くらい復習をしました。

高校時代は事件などの年号を覚えるのに必死でしたが、今は試験の心配もないので、歴史力動と言うか必然的な大局的な流れを理解することが重要と思います。それでも教科書レベルですが。

toko

令和最初の日

2019年05月01日 | 歴史
本日は令和最初の日です。
昨日のブログには人生の集大成の時代になると書きました。

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私は昭和32年生まれです。
昭和、平成それぞれ31年生きてきました。
年齢から、同様に令和を31年生きられるかどうかはわかりません。
しかし、おおむね3分の1ずつと考えることはできます。

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今後の30年の人生設計を立てて、準備・実行していくことが重要です。
少しじっくり考えます。

toko

平成最後の日

2019年04月30日 | 歴史
本日は平成最後の日です。
昭和天皇が亡くなるまでは、その病状も伏せられ、私から見ると倫理的にも問題と思われる治療が連日新聞で報告されていました。
そして亡くなると同時に病名が公表され、一日中同じような映像がテレビで繰り返されました。
それらに対する意見はこれ以上述べませんが、辟易したのも事実です。
新しい天皇の年齢から考えても「もう一度これがあるのか」と思いました。

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平成は子育てや仕事が中心の時代でした。
長女は昭和生まれですが、次女は平成元年です。
平成とともに彼女たちは成長し、結婚し、子供にも恵まれました。

仕事の上ではもちろんアクシデントもありましたが、概ね充実していたと思います。
忙しかったのも事実ですが、今のポジションは自分の時間も有意義に使えることもできます。
どちらもありがたいことです。

何よりも大病しなかったことに感謝します。

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バブルの時代も印象深いですね。
「狂乱」だったとも言えるのではないでしょうか。
日本の成長はああいう形でしか実現できないのではないかなどと考えてしまうこともあります。

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「令和」という元号になり、自分の人生もいよいよ集大成の段階に入る気がします。
一日一日を大切に味わいながら過ごしたいものです。

toko




ポンペイ展

2010年04月16日 | 歴史


平日に休みが取れるようになり、美術館などにも行きやすくなりました。





今までは朝一番に行っていたのですが館内のレストランで昼食をとってからでも空いています。







絵画等そのものはその後の芸術家によるもののほうが迫力はありますが、何といっても紀元直後の生活をそのまま見ているのことに古代ロマンを感じます。大理石の風呂にはスチームが付いているなど、現在にも通じるものがあります。銀の食器もあります。そのころ日本は弥生時代で土器が中心でした。ミュージアムショップで本とポストカードを買ってきました。toko






花神

2010年03月29日 | 歴史
そういうわけで、職場に行けず終日家でパソコンと読書とで過ごしています。写真は司馬遼太郎の「花神」で、私が高校生の頃にNHKの大河ドラマでやっていたものです。「花神」とは中国の言葉で、日本で言う「花咲爺さん」のことです。大村益次郎(靖国神社に銅像がある人)が主人公です。益次郎はもともと医者ですが、抜群の語学力(当時はオランダ語)を生かし、欧州の兵法・戦術を学び、戊辰戦争、特に東京の真ん中の上野での彰義隊との戦いに市民を巻き込まずに勝利し、鎮圧しています。現在坂本龍馬をドラマでやっていますが、幕末~維新の流れをいろいろな人物の軸で見ていくのも面白い。「歴史を知らないと過ちを繰り返す」という考えを持っているのですが、この「花神」もなかなか手つかずでいました。文庫本ですが一気に1000ページ読んでしまいました。目には悪いのかしら。toko