地元医療の中核 岐大病院(この病院で手術は受けていません)
膀胱は家人を乳がんで失ったため、少し注意していて夜中に寝ぼけまなこでトイレに立つと、おしっこが横に飛ぶのか時にパジャマを濡らす。排尿時に尿道にかすかに違和感があって半年くらい、寄り道せず総合病院へ直行して初診を受けたのが幸いした。がんが見つかった後、膀胱を空にして、ウンと怒責(いきむ、病院はこう書く、はじめなんのことやら?)と便器に鮮血が散った。普通はこれで見つかる。これを軽く考えほっておくと大変なことになる。
初めの診断は超音波、エコー検査です。ここへ案内され一発で発見、エコー技師が考え込み、隣の同僚技師を呼んで画像を見やりました。よくない証拠です。
そこから泌尿器科で受付、データーは初診主治医に回っています。診断前に膀胱鏡検査です。
ナースの指示で穴あき紙パンツに履き替えます。散髪椅子のような専用椅子は全自動で回転から開脚まで自動です。目の前に目隠しカーテンが覆われ、麻酔を尿道からDr が注入します。括約筋をファイバーが通る際は少し痛いよ、力を抜いてと声を掛けられます。麻酔が効くまで約20分そのままです。
何度もやったし経過観察の定検でもやるので慣れてしまって上手だ、その調子とDr 、顔なじみのナースさんには「お産もこの姿ですか」、「そうですよ、女は男の人のようにちょとしたことに痛いと簡単に言いません」、まったくそのとおり亡妻も痛みによく耐えた。
いつか麻酔が効いてくる間、椅子から手を後ろへ伸ばして脱衣駕籠の新聞を手に読んでいたら「この椅子で新聞を読む人はあたただけです」とナースさん。「三人目の赤ちゃん元気に育ってる、勤務中誰が面倒見てるの」、「この院内に託児所があります」。
一般的に大腸でも肺でも、初期診断は消化器内科、呼吸器内科へ回されます。そこで初期診断から確定診断まで診てくれ、手術直前に消化器外科、呼吸器外科へ回されます。
大腸は膀胱と同じで初診の後、大腸内視鏡で診ますが、これの順番待ちが数ヶ月とか、私は受付嬢が機転を利かせてくれ、泌尿器科のDr に電話しこの先生の診察依頼としてくれ、翌週直ぐ診察や大腸カメラを受けることが出来た。
膀胱は水で膀胱を膨らませてカメラで診るし、大腸は空気で大腸を膨らませて診る。
膀胱は尿道の入り口から診て行くし、大腸は奥の盲腸近辺までファイバースコープを入れて、スースーと空気を抜きながら肛門へと診てゆきます。
両方とも患者の目の前にディスプレーがあるので全部見える。膀胱の時も「先生変なのがありますね」、「見事なカリフラワーだ、半分くらいはイソギンチャクだ」と、Dr は動じません。この腫瘍の形を有茎性といって性質がよい。アワビ形は性質がよくない。有茎性も半数の人が再発する。
大腸の場合も、もう少しで終わると思った頃カメラが止った。隣の部屋で検診中のDr を呼びに行かれた。二人のDr が角度を変えて何枚も写真に撮る。「先生、形が丸くなく中側がクレーターで顔付が悪いですね」というと、Dr は「そのとおり、よくないなぁ」もう膀胱で勉強済み。「内視鏡で削って取れませんか」、「2cm未満なら、2.7cmくらいで越えています。悪性なら開腹になります」。そこで膀胱と同じで別の器具を挿入し、おできの一部を挟み取り、細胞診断に回されます。サッと血飛沫が散ります。
肺のときも「造影検査くらいでは肺を取れません。生検やって下さい。穿刺細胞診駄目ですか」、「針に途中の細胞が入るので正確でありません」、「カメラ駄目ですか、内視鏡やってください」、「やりましょう、予約取ります」と、運良くここの部長先生が気管支鏡の権威だった。
膀胱は発見が遅れて摘出となると人工膀胱とか、自力排尿ができないとカテーテルを使うとか、直腸よりQOL(生活の質)が低下するので、私は内視鏡ですみ幸運だった。
この病院・岐阜県総合医療センターのホームページも充実してきた。多くの診療科のDr は写真紹介か、懐かしいお世話になったDr ばかりではないか。