クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

日本のポップカルチャーの魅力(3)

2009年04月11日 | 世界に広がるマンガ・アニメ
これまで、日本のポップカルチャーの波及力の背景に、日本の庶民、大衆層のパワーや価値観の魅力があることを見てきた。確かに日本の大衆のレベルは高く、しかも層の厚さとしても、社会や文化を形成する力としても、日本の中心となっている。一部エリートや上流層に作られ支配される消費社会ではない、本当に女・子どもが主人公の消費社会、知的エリートに統制されない大衆社会が形成されつつあるようだ。 今回は、その辺に注目してまとめてみよう。

5)子ども文化と大人文化の区別のなさ
欧米では子ども文化であるマンガ、アニメ、ゲームだが、日本では、はっきりとした区別はなく大人をも含んだ領域としても確立している。マンガ、アニメ、ゲームは、大人が子どもに与えるものではなく、大人をも巻き込んだ独立したカルチャーとしての魅力や深さをもっている。子供と大人の領域が融合しているため、エロや暴力の表現が、子供の世界にまで入り込んでいるが、これがコンテンツの国際競争力の強さになっている現実もある。

一方で、日本では、子供が自分で欲しいものを買うという形で、子供の需要がストレートに商品化される。よく知られるように連載マンガのストーリーは、読者である子どもからのフィードバックを通して変えられたり発展されたりする。これは、子どもが独立した消費者となっているからこそ可能なことだ。欧米では、子どもが何を買わせるかついて親が支配する度合いが高いようだ。(『日本のポップパワー―世界を変えるコンテンツの実像』)

6)女性自身のメディアの確立
女性自身が、近い年代の女性に向けて描くというマンガのジャンルを発達させたのは日本だけだという。欧米でもアジアでも、女性たち自身のメディアがあることが衝撃的なようだ。女性自身のためのマンガというのは、文化的な影響が強く、特に東アジアでは、同じようにマンガを描きたいという女性が多いという。2000年代以降、欧米でも急速に女性による女性のための日本マンガを読むようになっている。これは、マンガを通して、その背景にある日本の文化や価値観が世界にひろがっていく例のひとつだろう。日本のマンガやアニメが世界に受け入れられる背景には、その背後にある文化や生活様式の全体が、好意的に受け入れられ、ひろがっていくプロセスがあると見てよい。

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