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2017年10月9日 葉山 東京湾 外房

2017年10月09日 | 風の旅人日乗
早朝の森戸海岸を
浜ラン


山田太一の『異人たちとの夏』が好きで
時折本を読み返したり
DVDを観直したりする

浅草の
有名なすき焼き屋の座敷で
主人公が
行かないで! 行かないで!
と願うなか

両親の姿が徐々に徐々に
消えていってしまうシーンが
クライマックスである


自分の父は
認知症を患って
それから四年後にこの世を去った

父亡きあと
一人気丈に北九州で暮らす母だが
このごろ
時折だけど
認知障害の兆候を示すようになった


認知症の症状が進んでいく
父の姿を見ているときに

その浅草今半でのシーンを思い出していた

自分から見た父の姿ではない

父から見た自分の姿だ

記憶を失っていく恐怖と
一人で戦っていた父は
あの小説や映画のシーンのように
会うたびに輪郭が薄くなって
消えていってしまいそうな息子の姿に

行かないでくれ 行かないでくれと
涙を流しながら
意識の片隅で叫んでいたのではないか



もう少し頻繁に逢いに行けばよかった
という思いが
今も強く残る

その失敗を繰り返したくない
と思う

母に対する自分の時間の使い方に
同じ後悔は残したくない

次世代の子どもたちの幸せのために
自分が行なうべきことや

社会の常識として
優先させなければならないとされていることも

自分に関わる経済状況を
優先させなきゃいけないことも

よーく自覚しているつもりだし

自分自身に残された時間の中で
自分がこの世で達成したいこともある

これらを
限られた時間の中で
どうバランスさせるか

挑戦である

残り時間が少ないのであれば

その時間の中身の
質を高めていくしかないのだろう


さあて
本日と明日は
未来を担う
次世代たちと過ごす時間

水族館で働くお姉さんたちに憧れる
次世代の知識欲を満たしてあげるべく
二日間を水族館で過ごす