5月8日。葉山マリーナヨットクラブ主催の小網代沖ブイ回航レースに参加しながら、
リグのセットアップの仕上がり具合を確認する作業。
レースそのものは、右からのパフと、右へのシフトの可能性の高かった風を意識すれば
フリートの右サイドに居たく、
強い向かい潮から逃れるためには水深の浅い岸寄り(左サイド)を使いたく、
という、判断が難しいレースになり、
見えない潮よりも、見える風のほうを優先して、
パフを丁寧に拾いながらフリートの右サイドを押さえることにしました。
リスクマネージメントからすれば、妥当な作戦だと思います。
干潮に向かっている時間帯に、
長者ケ埼から佐島沖では北に向かって流れる潮が強くなるという現象も、
相模湾の下げ潮=南流というイメージとはまったく逆で、
感覚的にはとても変な感じでしたが、いい勉強になりました。
結果は、右のシフトが来る前の午前中に、途中の亀城根沖でコース短縮になり、
19隻中4着修正4位。
強豪が揃う葉山マリーナヨットクラブのクラブレースデビュー戦としては、
充分満足できる成績ではないでしょうか。
この日は大潮で、午後遅くなるとマリーナ内の水深が浅くなって
レース艇が上架できなくなる恐れもあったため、
コミッティーの判断も的確だったと思います。
レース中ほとんどの時間帯で4~5ノットの風速だったため、
この風域でのリグ・セッティングしか確認することが出来ませんでしたが、
それぞれのタックのメインセールとジブセールのシェイプから、
マストが左右にストレートに立っていることと、
マストが垂直に立ち上がっていることを確認することが出来ました。
セーリング中マストの状態が左右で異なっていると、
それぞれのタックでメインセールの深さや、深さの上下分布が違ってしまいますし、
マストがデッキに対して左右方向に垂直に立ち上がっていないと、
それぞれのタックでジブのリーチの開き方が違ってしまいます。
ヴィッテ31 14号艇では、
少なくともここまではリグ・セッティングが完成したことになります。
レース中、他の艇と併走する場面もあり、走りを注意深く比較しましたが、
ヴィッテは微風が比較的得意だということもあり、
どの艇に対しても満足のいく走りをしていたと思います。
もちろん、ヘルムスマンの集中力と技量が優れていた、
という要素も大きいです。
次にご一緒させていただく機会は2週間後ですが、
そのときにもしもう少し強めの風に恵まれれば、
他艇と走り合わせながら、マストのプリベンド量の最終チューンと、
マストをもう少し起こしてアフターレーキを1°ほど小さくできないかを、
探ってみたいと思います。
この日のセーリング後、元気いっぱいの女性クルーにお願いして、
ノンオーバーラップジブのトリムの目安に使う目盛りを、
スプレッダーにマーキングしてもらいました。