6月某日 moritaさまよりいただいたコメントへのお返事

2010年06月12日 | 風の旅人日乗
moritaさま、

同じ日に、同じヨットでレースをされていたのですね。
相模湾はずいぶん風が強かったようですが、どんなセーリングだったのでしょう。

6年前、自分が卒業した小学校の後輩に当たる子供たちにセーリングを初体験してもらう艇として、いろいろと候補を探した末に見つけたのがこの艇でした。
この艇の営業担当だったチャーリーさんとも、それがキッカケで知り合いになりました。
チャーリーさんは自分でトラックを運転して北九州まで運んできてくれました。

その翌年の、『愛・地球博』支援イベントとして開催した三河湾でのセーリングキャンプのときも、チャーリーさんは夏の間の毎週末、私たちに付きっ切りでお手伝いしてくれました。
セーリングキャンプに参加した三河湾の子供たちもすっかりチャーリーさんになついて・・・。
この艇のファンの人たちは、言わば、チャーリーさんのファンでもあった訳ですよね。

そのときのセーリングキャンプで小学5年生だった子供たちは、この4月に高校生になりました。そのうちなんと3人が、ヨット部に入ったと、親御さんから連絡をいただきました。
あの夏休みにセーリングを体験したことがきっかけでヨット部のある高校への進学を目指していたのだそうです。これもチャーリーさんの功績のひとつです。


3年前、チャーリーさんはこの艇を製造販売していた会社から、ご本人は望んでいなかった退職を余儀なくされましたよね。

チャーリーさんにそういうカタチで恩返しをするような会社ならば、ヨーシ、私たち独自で、日本の親子にセーリングを楽しんでもらうために最良の艇を開発して製造しよう、と、チームニシムラに集ういろんな業界のメンバーが、いろんなアイディアを出し合っている半ばで、チャーリーさんは病に倒れてしまいました。

この艇は、ラダーもセンターボードもセールも小さくて、体重移動をうまく使わなければ思ったとおりに動いてくれませんよね。
常にスピードを維持してなければ、すぐに横流れしてしまいますよね。
そういう意味で、一般の方を乗せている時でも、インストラクターにとっては多くを勉強することができる艇です。

チャーリーさんが企画したコンセプトに沿って、沖縄のサバニ船型から発想を得た故・横山晃氏と息子さんの横山一郎氏が親子の共同作業でこの世に残した、傑作デザインのひとつではないかと思っています。

[photo by T.Murahashi]