ブルース・ブランケンフェルドのナヴィゲーション。
ポマイラの環礁を抜けて太平洋に出ると、曳航する方向の指示が、
ブルースからカマヘレに伝えられた。
「トゥルー・イースト(磁気コンパスでなく、真の方向で真東)へ」
それからひたすら真東に走ること丸3日半。
水平線の一箇所だけ雲が割れ、奇跡のようにそこから太陽が昇ってきた。
曳航索を切る前、
ブルースは
「まずはビッグアイランド(ハワイ島)東側のヒロ沖を目指す」
とカマヘレに伝えてきて、
そうして、セールを揚げるや否や、
ホクレアはある方向に狙いを定めてセーリングし始めた。
その後ろを追うカマヘレのGPSモニターを見ると、
船首が向いている先を示すラインは、
モニターの上でも遥か遠くにあって、点にしか見えないヒロのすぐ東を向いている。
すでに太陽は再び雲の中。行く手の水平線も分厚い雲に覆われている。
吹いている東風が立てている波とは別の、
2,3種類のうねりが海面にあるのは分かるけど、
それは、逆に、方向を惑わすものにしか思えない。
それなのに、ホクレアは、まるで800海里先のハワイ島が見えるかのように、
その方向に確かな意思を持って、大波を次々と乗り越えながら走っていく。
鳥肌が立った。
(写真は、太平洋の真ん中にポツンと浮かぶPalmyra Atoll。カマヘレの復路クルーSamuel Monaghanが撮影)
ポマイラの環礁を抜けて太平洋に出ると、曳航する方向の指示が、
ブルースからカマヘレに伝えられた。
「トゥルー・イースト(磁気コンパスでなく、真の方向で真東)へ」
それからひたすら真東に走ること丸3日半。
水平線の一箇所だけ雲が割れ、奇跡のようにそこから太陽が昇ってきた。
曳航索を切る前、
ブルースは
「まずはビッグアイランド(ハワイ島)東側のヒロ沖を目指す」
とカマヘレに伝えてきて、
そうして、セールを揚げるや否や、
ホクレアはある方向に狙いを定めてセーリングし始めた。
その後ろを追うカマヘレのGPSモニターを見ると、
船首が向いている先を示すラインは、
モニターの上でも遥か遠くにあって、点にしか見えないヒロのすぐ東を向いている。
すでに太陽は再び雲の中。行く手の水平線も分厚い雲に覆われている。
吹いている東風が立てている波とは別の、
2,3種類のうねりが海面にあるのは分かるけど、
それは、逆に、方向を惑わすものにしか思えない。
それなのに、ホクレアは、まるで800海里先のハワイ島が見えるかのように、
その方向に確かな意思を持って、大波を次々と乗り越えながら走っていく。
鳥肌が立った。
(写真は、太平洋の真ん中にポツンと浮かぶPalmyra Atoll。カマヘレの復路クルーSamuel Monaghanが撮影)