4月12日 後遺症

2009年04月12日 | 風の旅人日乗
今回の航海では、ぼくはものすごく深い精神体験をしてしまって、
それがまた、まずいことに、
そうなるかも知れないという覚悟を事前にキチンとせずに不用意に出掛けたものだから、
その影響を全身全霊で受けてしまい、
表現は適切ではないかもしれないけれど、
失語症のようになってしまっている。

日本に帰ってもう随分経ったように思っていたのに、
まだほんの3,4日しか経ってない。
この短い間に、随分世俗的仕事をこなしたように思うけど、
その仕事は、できるだけ脳の深い部分を使わないようにして、
別の、表層にある薄い領域でやっつけたような、そんな感じ。
深いところに迷い込んでいる自分のココロを、敢えて覚醒させたくないと、
今のぼくは望んでいるのかもしれない。

燃えないごみの日に出すつもりにしていた袋の中から拾い上げた、
埃まみれのカセットテープの中に入っていた山下達郎の、
レトロで古いメロディーと歌詞が、変に心に染み入ってくるのはなぜだろう。


これは確かに、完璧に、何かの後遺症だ。
だけど、なんだかとても心地良い後遺症だ。
だから、なるべくたくさんの人に分けてあげたい後遺症だ。
ウーン、困った困ったと、心地良く困っている。


(写真は、Palmyra国際空港。カマヘレの復路クルーSamuel Monaghanが撮影)