ブログ人 話の広場

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一人の同年配者の生き方

2010-08-31 10:02:35 | 日記・エッセイ・コラム

 先日ぼくがレギュラーで出演している放送番組に、同年輩の方にゲストで出演していただきました。このJさんとはかなり共通点があるとぼくが勝手に思い込んで話題も昔話も可能かと心準備していたら、これが大間違い。戦争という時代にぼくが体験したような経験はほとんどなかったとおっしゃる。北海道にいた人はそうだったのか、とふと考えてみました。

 だから話は現代の話に切り替えて進めました。実に話題の多い方で、しかも行動的で人から指図されてしたくない。自分で道を切り開き、やって見たいと思うことがあれば、自ら飛び込むという方のです。

 で今何をしているのか伺ったら、ジャズの会場整理やチケットのもぎりとか、地元サッカーの試合には作業のためにスタンドに行く。また寒い雪祭りの時も観光案内をしたりしているとのこと。要するにボランティア活動を休みなく行っているのです。放送出演も開局以来とおっしゃるからもう7年は出ておられるようです。ボランティア活動をしているといった意識はまったくないそうです。

 ぼくは逆にこうした積極的な行動を起こすことのできないシニアを多く知っていますが、大抵は人とのふれあいを求めていながら自ら進んで飛び込んでいくという勇気を持っていないことが共通していることも気付きました。そういう心のうごめきは十分理解できるのです。

 人の感情はそのとき聞いた話にすぐに飛び込んでいる自分を想定して、瞬間的にやろうと錯覚をおこすのでしょう。独りになったとき、急速に感情が冷えていき、あの話はもう心の中に残っていないのです。これが老いの共通した感情表現なのでしょう。放送に出てくださった  Jさんは老いるということをまったく考えたこともないという超人的な人に見えてきます。

 生きるということに理屈をつけて美しく見せようとせず、淡々と行動する自由人です。だから楽しい相手です。ぼくはまた自分の目標を与えてくださった模範的なシニアと出会えたことにすがすがしい思いをしました。こんどはどこかで一杯やりながら放談でもやりましょうと約束して分かれました。

やさしいタイガー


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