「小日向えり」という若い歴史アイドルをご存知でしょうか。昨夜、この方が出演しているラジオ放送を聞いていて、ふと思いついたことがあります。
いま選挙運動の真っ最中。幾つかの党の中枢的候補者が、いろんな公約を掲げながら、その中にちょっと気になる発言をしている声があります。「道徳教育の強化」というくだりです。
そもそも「道徳」という言葉は、戦前や戦時下において上から押し付けがましく強制させてきた教育の中核だったのです。だから戦後は、忌まわしい思いを残していることもあって避けてきた言葉でした。
世相が荒れている現代、一体誰の責任とすべきでしょうか。お題目を作って方向を示そうとする今の政治関係者に大きな責任があったはずです。復古調の姿勢はいただけません。
で、この小日向さんが、会津藩の話をされていて、この地域の子どもたちが自ら作成し実行しようと宣言した「あいづっ子宣言」を紹介していました。
1 人をいたわります 2 ありがとう ごめんなさいをいいます 3 我慢をします 4卑怯なことはしません 5 会津を誇り、年上を敬います 6 夢に向かってがんばります 7 やってはならぬ やらねべならぬ ならぬことはならぬものです という宣言です。
しかもこの宣言は、6歳から9歳の子どもたちの手で作られ、実行されているそうです。この結果、少年少女の非行は60%も減ったそうです。
で、この基礎になったのが、会津藩に属する子どもたちが作成した「什の掟」にあるとの話でした。ご承知のように会津藩は戊辰戦争でなくなっていくのですが、例の白虎隊など後世に伝わっている幼き世代の悲しい運命は、この会津藩に伝わる物語です。今の「宣言」の基礎になっているのが、当時誰でも勉強したいものが通うことのできる日新館という塾生の間から生まれて掟なのです。
「してはならぬこと、しなければならぬこと ならぬものはならぬ」という閉めの言葉は今も伝わっています。素晴らしい行動です。
若い新鮮な頭と心を信じないで、なんでも大人がすべてやってしまわないと思う感情からは、心に響くものはでてきやしないのです。大人の思い上がりでしょう。「あいづっ子宣言」は、子どもたちをもっと信じてほしいという声なのかも知れません。
こんなことに目を向けるような人物を見出したいものです。
よい勉強になりました。
やさしいタイガー