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翁長沖縄県知事急逝を悼む

2018-08-10 13:27:28 | 国際・政治

 広島と長崎の原爆投下の間の8日、沖縄県知事の翁長雄志さんが急逝された。                      沖縄の人々はもとより、多くの沖縄を案ずる人々は無念なことであり、ぼくも悲嘆に                       くれた。

 「美しい日本を取りもどす」、「戦後レジュームからの脱却」、「沖縄に寄り添う」など、                      ほとんど空虚な発言を繰り返した安倍首相に、論理を立て、歴史を語り、県民の                          思いを添え徹底的に伝えた知事の発言は、空を打つ拳闘に過ぎなかったのだろうか。

 複雑な政治事情がからんでいるにしても、全く聞く耳を持たなかった政権への                     失望感や空しさは痛いほど胸に刺さってくる。しかし、一見実現しそうもない戦い                  かもしれないし、いつまでやっているのか、という心無い批判の声もあったという。 

 そのことを十分わかっていながらも一貫して手を休める事なく、戦い続けた知事の                    行動はむしろ基地問題を沖縄に託し切っている本土のぼくたちに責任があるように                   思うのだ。

 政府は辺野古基地建設も世界一危険な基地と認める普天間基地を返還する                     ための移転だという。よく考えてみると移転とは危険が移るということであって、                     本質的には何も変ることはないのだ。これは日米の方策なのだ。

 もし辺野古に米軍基地を造らせないとすれば、普天間基地の返還はないと                    いうのが政権の見解だ。つまり世界一危険な基地を永久に抱えることになるぞ、                      という考えだ。

 翁長知事の基本姿勢は、かならずしも国と対立することではなく、日米双方が                    日米安保条約や日米地位協定にもっと積極的に向き合うべきだということにある               と思う。そして重要なことは地方の自治権を奪っていることだ、と主張する。 

 政府は辺野古埋め立ての代償として振興資金を県に委ねるのではなく、周辺の                                                                                                                                                                                                                              賛成する自治会に付与するという姑息な手段をとった。まさに県の意向を無視して                     上から与えてやるといった中央集権性がみられる。                                         

 国は沖縄にアメリカがいるがゆえに沖縄を差別扱いをしている。翁長知事の                       死去は政府にとっては安堵感が起こり、今度こそ政府の言うことを聞く知事の                          誕生を描いていることはみえみえだ。一身を賭して闘ってきた翁長さんの主張は                       何であったのか、噛み占め、沖縄の苦悩をもっと深く受け止め、自分はこれから                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      何をすべきか、しっかり考えていこうと改めて思う。                                                                                                                              

 翁長さんはご夫人と交わした言葉がある。「公職を終えたら、一人間として、                        一市民として、そして沖縄県民として、辺野古に座り続けよう」と。                               何と悲しい言葉だろうか。安倍さんはどう答えようとしているのか、問い続けたい。                                                                                                                                                                                                               

やさしいタイガー



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