ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

本の薫り

2010-07-15 08:58:47 | 日記・エッセイ・コラム

 先日朝から所要で既に街の中心街にいたのですが、その所要も終わり、今度は夜の6時の集会までの時間がぽっかりと空いてしまいました。さて、どこかに行って油を売るかと考えたのですが、相手に迷惑と思い、結局はデパートの本コーナーに立ち寄り、2冊ほどの本を取って付設されている喫茶コーナーに入り、一杯のコーヒーで過ごすことにしたのです。

 何しろ勝手に読みたい本を取って喫茶コーナーで何時間も読みふけってもいいのですから、本好きなものにとってはとても楽しい時間です。ぼくは柳田邦男さんのお書きになった「人の痛みを感じる国家」という本を手に取りました。逆手にとって柳田さんは「人の痛みのわからない国家」を指摘したかったようです。

 そしていつから人の痛みのわからない人間が増え、その背後にあるものは何か、をいろんな事件を通して冷ややかな日本の鈍感さと速やかに被害者のために解決しようとしない国家の非道さにちょっぴり怒りを感じる表現が随所にありました。

 このように人の痛みを感じない政治関係者を「政治屋」といい、人格・識見・リーダーシップそしてそこに向かおうとする姿勢のある人を「政治家」と分けていました。一体日本にどれだけの政治家と呼べる人がいるのでしょうか。次の予定の時間が来たので3分の2まで読んで退席しました。社会の一段面を見たような納得した本でした。

やさしいタイガー