昨日の夜、NHKが放送していた番組に野村克也元監督が出演していました。彼は三大監督の一人といわれた鶴岡一人監督から見初められ、テスト生として当時の南海ホークスに入団したのがプロ野球のスタートでした。それから27年間現役で活躍しました。その後いくつかの弱小球団の監督をし、優勝に導くなど、野村克也の右に出る物はいないほどの活躍をしました。
その野村さんのモットーは「野球選手である前に人間を磨け」ということを高校生の恩師から学び取ったようです。そしてそのことがいつも生きるよすがとし、若い選手たちに勧め続ける言葉だったのです。
またサッカー選手たちの帰国後の談話を聞いていると、負ける事によって一層ティームに愛着をもち、またこの仲間と一緒に闘って行きたいと漏らしていました。努力を続けていけば、必ずその報いは与えられるとも語り、人としてのありようを体験したことが伝わってきました。頼もしい若者という印象が心に強く残りました。
それに較べて伝統の上に胡坐をかいた相撲界の乱脈ぶりはどうしたことでしょう。まず人間としての真摯な姿勢を取り戻すことから始めないと部分的に改善してもまたほとぼりが冷めた頃、また同じ事を起こすのではないかと危惧します。
それだけに波乱な人生を送った野村さんの言葉には実感がこもっていたし、共感を与える物があった放送でした。野村さんは人間を磨くということは、知性と教養を磨けと解釈していました。なるほどそうだと思いました。それが人間の品のよさをつくっていくのではないでしょうか。
やさしいタイガー