最近の経済にしても政治にしても、教育の世界にしてもどうも舞台の上で嬉しそうに演技をしているようには見えません。暗いシナリオばかりが目について、それを演じている人はもっと暗くなってしまうのでは、観客である僕らをはらはらさせます。
大学の学生が卒業までに決定した人は91%だと知りました。卒業しても就職探しに奔走する姿はどこか痛々しさを感じます。経営者の責任の重さもわかるが、どこか人間の温かさを失った経営をしているようにさえ見えます。人間を軽く扱い過ぎるのです。さりとて3年生で決まる学生もいて、結局大学というのは何をするところか、みんな茫然自失のような状態です。
政治にしても山積する課題をこなしきれないように見えます。何年も前に起こった事件でも今になって処理しなければならないというのは、日本が長い間独裁政治をしてきたどこかの党の後始末でもあるのです。5月の約束が守れないのなら総理は辞任すべきだと主張する党もあるが、やめて後どうするの、誰が貧乏くじを引くの、となりかねない。多少行き違えでもすぐ辞めろというのは江戸期までの腹切りと一緒です。
為政者の発言には先の見通しもなく、「責任」を取る事だけしか追求の仕方を知らない幼稚な手法に見えてしまうのです。なすりあいはどこの国でもすることですが、とにかく今手をつけていることに心をつくし、真心を持って取組んで一つでも解決しようとする名優が一人でも多く現れてほしいものです。そうじゃないと高いお金を払ってちっとも面白くないお芝居を見ているようなことですから。
やさしいタイガー