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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『穣治君への手紙』

2010-09-04 14:48:35 | 本・雑誌

Img349

読み終えました。

阪口穣治君は、1960年生まれ。2歳の時に、一種一級の脳性小児麻痺と診断された人で

す。1992年8月、31歳で死去。

我々が想像を絶する苦労をして詩を学び、書き続けた青年でした。

なんと言っていいのだろうか。胸の中に手を突っ込まれて、揺さぶられたような気がする。

阪口穣治君はわたしも多少の縁があった詩人である。しかし、この本を読んで、彼がこれほ

どの思いで詩を書いていたことにわたしは衝撃を受けている。たしかに知ってはいた、はず

だ。彼には詩しかないことを。しかし、しかしである。こうして高橋氏が長年にわたって書かれ

たものを読ませてもらって、反省せずにはおれないのだ。多分、彼が贈ってくれた3冊の詩集

へのわたしの感想も、今から思えばおざなりだったのではないだろうかと。

いい詩がたくさん引用されているが、中のこの詩。

Img378 ポチッして読んで下さい。

このあと、

   父

   妹に。

とページを変えて続く。

その後の高橋氏の記述。

―「なぜ/なぜ と/おもうまに/三十年」と、ここに至ってなお、彼はへばりついたままだっ

たことへのやるせない疑問を差し向ける。しかしすぐに、その器で燃やした炎のことを思い、

「それで ゆるしてもらおう」と考える。それこそ彼の生きた証しであり、それが彼にできる家族

へのただひとつで無上の愛の返礼なのである。「また すこし体力が落ちて」と、二十キロまで

に減った体重で最後の炎を燃やしたのは1992年の夏だった。「まーだだよ/まーだだよ」と

言った彼に「もう いいよ」の一言はあるまい。そもそも、真剣に生き抜こうとしている人間に

「もう いいよ」というときがあるはずがないのだ。

わたしは言葉を失うしかない。

>

         

わたしが時々お伺いするブログから拝借します。

もりあやこさんのブログより。

涙をとめるには

2010 年 9 月 3 日 金曜日

どうしたらいいのだろう

ぶつかって泣くお子

眠れずに泣くお子

叱られて泣くお子

意地悪されて泣くお子

いつまでも痛いわけじゃないよ この痛みはそんなにつらくないよ・・・と 安心してもらって 楽しいことに気をそらして

眠れないことは辛くないよ 眠ることは怖くないよ・・・と やはり 安心してもらって

叱ったことは 良かれと思っていったことで あなたを憎いわけじゃないんだよ これ1つであなたのすべてを決め付けているわけじゃないんだよ・・・と わかってもらって

いじめることの 発生した原因や 互いの関係性にもよるけれど それが 世界のすべてじゃないんだよ 少なくても 私は あなたを受け止めるよ・・・と 他の着地点をみてもらう

・・・そんな 感じ。

映画を観て 本を読んで泣いてしまっても 自分の身に起きたことではないと わかっているから 程なくして 涙が止まるのかもしれない

小学生低学年の頃 市民センターに 映画『禁じられた遊び』がきて その場ではこらえたものの 家に着くなり 号泣した

取り残された思いが 自分の中で起こったことのようになって 愕然とした恐怖感

涙と哀しい気持ちがとまらなくなって しゃくりあげて苦しかった。

そのときばあちゃんは しがみつくわたくしに「いだぐもかいぐもねくて ほだん なじょしてなぐんだが・・・ なっこだねんだいん、 あだの むがすのがいこぐのこったがら」(痛くも痒くもなくて そんなに 何故泣くのだろう 泣くことはないんだよ あんなの 昔の 外国のことなんだから)・・・と 慰めて ふざけた歌など ふたつみっつうたってくれて おどけて 屁などもこいてくれたっけ

んで いつの間にか 笑えてた

安心感が 鍵かなあ

自分の中にとどまる 悲しみに絡めとられつづけることなく

目をそらしてみれば 他にも楽しいことがあるのだよ と 

逃げ道の 余裕を 感じることができたら良いのかなあ

でもどうせ・・・と 涙の地点に視線が引き戻されると また うろうろ惑うんだね

そんな省みる視線がない お子には ぐずぐずうろうろは 無縁・・・下手な大人にありがち

ず~っと 泣いている お子をみて わたくしは どうやって何度も泣いて 何度も涙を止めてきたのだろう なんてことを ぼんやり思い出していた

ばあちゃんの言葉、いいですねえ。それをちゃんと覚えていてこうして書ける、「ぶんぶん」こ

と、もりあやこさんもいいなあ。もりさんのブログはこちら ↓

                           http://shingetsu-usagi.com/

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