goo blog サービス終了のお知らせ 

喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『みかづき』に「檄」

2025-08-08 15:36:52 | 本・雑誌

図書館からお借りしている本。

『みかづき』(森絵都著・集英社刊)です。

これを読むきっかけがなんだったかは忘れてしまったのですが、どうやら最初に登場する主人公、吾郎の人生と関係があるような。

こんなセリフが初めの方にあります。

「ぼくが高校生のとき、親父が商っていた問屋がつぶれてしまって、ぼくも働くことになってね。職業を選んでいる余裕はなかったんだ」

これ、わたしに通じるんですね。その境遇が。ネットか新聞の書評かでその情報を得て、すぐさま図書館に予約を入れたのかと思いますが忘れました。

彼は小学校の用務員をしている。そして用務員室で子どもに勉強を教え始める。子どもが集まってくる。そして…という話。

久しぶりに読む長編現代小説です。

彼の人生が三代にわたって描かれています。なかなか面白いです。

背景は教育界、それも戦後の塾の変遷が背景にあります。

わたしの子どもたちがお世話になっていた頃も詳しく描かれていて興味深いです。

そうか、塾というのはそんな世界だったのか!と今さらに思わせられます。

 

で、今日読んでいて不審だったところ。

最初の行。《もじもじしている美鈴に、台所から寛子の檄が飛んだ。》

この場面の「檄が飛ぶ」という言葉は誤用です。

塾が背景となっている小説で誤用があるとはちょっとびっくり。

著者の森絵都さん、まさかご存じなかったのでしょうか?

この一行はセリフとは違って作者の地の言葉です。

出版社の校正洩れでもあったわけで、珍しいですね。

【追記】

読み終えました。467ページ。
 
小さな瑕疵のことを書きましたが、この本自体は素晴らしいです。
 
やっぱり出来のいい長編小説からは大きな感動を受けますね。
 
読んで良かったと心から思っています。
 
塾を背景にした教育に関心がある人にはお勧めです。
 
 
 
 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。
 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後藤正治さんの『文品・藤沢周平への旅』

2025-07-15 18:43:20 | 本・雑誌

何ヶ月か前の神戸新聞の「読書」欄で紹介されていた本です。

すぐに図書館に予約を入れておいたのですが、やっと順番が回ってきて読み始めました。

藤沢周平の代表的な作品のあらすじと共に書評が繰り広げられています。
 
読んで行く途中でわたしは、これは「実際の作品を読む方がいい」と思い至りました。
 
なので、途中からは斜め読みにしました。なるべくあらすじも読まないように。
 
今後、余裕のある時に藤沢作品読むことにします。
 
これまでわたし、藤沢作品ほとんど読んだことがありませんでしたので。
 
 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。
 
 
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読み語り『扇野』

2025-07-13 18:53:57 | 本・雑誌

昨秋、西宮神社であった古本市で山本周五郎の文庫本を5冊買った。

一冊100円。

古い本なので文字が小さくて読めなかった。

このほど白内障の手術を受けて読むことが出来るようになった。

今日、三冊目の『扇野』を読み始めた。

短編小説が9篇載っている。

そのうちの最初の「夫婦の朝」がなかなか良かった。

30ページ足らず。一気に読める。

で、今日は仕事が休みでわりとゆっくりしている妻に読み語ってやった。

二度続けて読むことになった。

妻は「泣きそうになる」と言う。

わたしも最後の場面でうるうるしてしまった。

黙読した時よりも胸に迫るものがあった。

 

 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年作った本

2025-07-01 09:24:08 | 本・雑誌

今年も半年が過ぎた。

このところ毎年一冊の本を作ることにしている。

今年は今のところ、驚くなかれ10冊。しかし、正式出版ではない。すべて手作り。

先ず、詩集『滉よ』。4月10日発行。90ページ。

その後『孫たちと』9巻。第一巻の発行は5月3日。第9巻の発行は6月20日。一巻平均80ページ。計約700ページ。

よく頑張った。

あ、そうだ。もう一冊あった。

知人に頼まれて作った『また明日くるね』。

43ページ。発行は5月3日。『孫たちと』と同時進行だった。

さて、後半にはどんな本を作ろうか。

 

imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古書店の目録に港野喜代子詩集『紙芝居』が

2025-06-18 15:59:58 | 本・雑誌
昨日朝、メールボックスを開けると「文雅新泉堂」という神奈川の古書店から目録が届いていた。
 
 
港野喜代子さんの『紙芝居』が1500円と出ている。メッチャ安い!
 
この本にはわたしに思いがあるので、即刻発注した。
 
しかし、「先着があり、売約済み」との返信が来た。
 
見る人は見てるんですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

谷崎潤一郎の『青春物語』

2025-06-12 12:04:39 | 本・雑誌

図書館からお借りして読んでいる本。

『青春物語』(谷崎潤一郎・昭和23年刊)。
 
いっぱい付箋を貼りました。
 
 
返す時には外さなければなりません。
 
貸し出しカードの袋に書かれている言葉が面白い。
 
《○ゆびをなめずに頁をひらき》
 
はい、そうします。
 
カードも手書きです。本も和紙で修理がしてあります。当時の司書さんは大変です。
 
 
【 谷崎潤一郎の『卍』 】
 
『青春物語』の中にこんなことが書かれている。
 
 
《私なぞは助手を使って「卍」を書いたのが大分稽古になつたけれども、》
 
関西弁についてのことである。
 
そうか、そうだったのか!である。
 
昔「卍」を読んだ時に、関西弁が下手やなあと思ったのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

谷崎潤一郎の今津村役場

2025-06-09 19:17:20 | 本・雑誌

必要があってこの本を読んでいた。

谷崎潤一郎の『青春物語』(雪月花書房・昭和23年刊)。

するとこんなページが。

京都に遊んでいた若き日の谷崎が、西宮の今津村役場で徴兵検査を受けようとしている場面。実際は受けなかったのだが。

この話、聞いたことはあった。

だけど今日はそのことを確認するためにこの本を読んでいたわけではない。

別の目的の為に読んでいて偶然だった。

「恐怖」という短編にこの事の詳細を書いたとある。

それで気になって調べてみると、声優さんが朗読しているページがあった。『恐怖』

聴いてみた。さて「今津」は出てくるだろうか?と。

今津はわたしの家からすぐの所。いわば隣町だ。

約30分の全編を聴いてみたが、「今津」は出てこなかった。

小説では地名はぼかしてあった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

図書貸出しカード

2025-06-06 12:36:16 | 本・雑誌
昨日借りだしが出来なかったので今日行ってきました。
 
やはり日差しがきつく暑そうだったので、徒歩で行くのは諦めて自転車で。
 
それが正解だった。
 
あまりにも分厚い本だった。『大衆文学大系』は900ページ近く。
 
古い本なので傷みそうです。なので丈夫なビニールのカバーを付けて下さいました。
 
 
こんなのバッグに入れて歩いて帰るのは大変。
 
それにしても古い本だ。
 
全部に貸出しカードがついている。
 
 
もっとも古い『青春物語}(谷崎潤一郎著・雪月花書房)のカードの日付は昭和25年。
 
 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『古本屋の誕生』

2025-05-15 10:39:22 | 本・雑誌

明日からお天気が下り坂とか。

で、図書館まで歩いてきました。4400歩。

失敗しました。日傘を持って出ればよかった。

汗みずくになりました。

お借りしたのは『古本屋の誕生』(鹿島茂著・草思社)。

新聞の読書欄に紹介されていたのはもう二カ月ほど前。

すぐに予約したのですが、やっと順番が来ました。

行く時、札場筋の信号待ちで黄色い帽子をかぶった保育園児に出会いました。

12,3人。背はわたしの足の長さより低い、2,3歳児。

保育士さんが二人で引率。

みんなの背中のリュックから木の枝が覗いている。

「どこに行くの?」と聞いてみた。

「夙川へ」と保育士さん。そして園児に大きな声で、

「何しに行くの?」と尋ねられた。

黄色い声で一斉に「ザリガニ釣りに」と。

そうか、それで木の枝に糸がぶら下がっていたのか。

しかし釣れるかなあ?

札場筋からはまだまだ遠い。保育士さん二人で大変だ。

図書館に着いて用事を済ませて、帰り、あの子たちは?と思ったら姿が見えなかった。

わたしが図書館に入っている間に通り過ぎて行ったようだった。

夙川はすぐそこ。もう水の中に入っているのかも。

歓声が聞こえるようだった。

帰宅したら案の定ドッと汗が溢れた。

妻が着替えを出してくれた。

 

 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しみな本2冊

2025-04-28 10:51:47 | 本・雑誌
楽しみな本が2冊届いているのですが、今はちょっと集中してやらなければならないことがあるので読めません。
 
一段落したら読ませてもらうのが楽しみです。
 
 
『こどもの詩と絵』第45集。これが最終号になるそうです。残念なことですが。
 
 
『現代川柳』第13号。わたしの好みの川柳を探し出すのが楽しみです。
 
 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「街の草」さん、久し振り

2025-04-06 16:27:24 | 本・雑誌
久しぶり、本当に久しぶりに古書店「街の草」さんに行ってきました。
 
相変わらずの店先です。
 
 
そして、道の向かいの、以前は「街の草」さんの倉庫があった所が工事中でした。
 
足場の貼り紙が面白かったです。
 
 
店主のKさんに驚くものを見せてもらいました。
 
わたしの昔の私家版5冊。
 
 
こんなのが出てくるんですね。恐い古本屋さんです。
 
「非売品」ということで買えませんでした。わたしの手元にもほぼ無くなってます。
 
この中の『工場風景』は初期の自信作です。Y先生から正式出版を薦められたことがありました。
 
 
 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「九人歩き」

2025-04-03 12:53:12 | 本・雑誌
島田陽子さんの『大阪ことばあそびうた』を読んでます。
 
 
大阪弁がいっぱい出てきますが、今はもう使われていない言葉もたくさん。
 
大体わかりますけど、これは知りませんでした。
 
「いくたまさんから」の中の「くにんあるき」。
 
 
なんのこと?と思いました。
 
解説見て笑いました。
 
「九人歩き。千鳥足。あっちへ寄ったり(四人)。こっちへ寄ったり(四人)、本人を入れて九人歩き。」
 
 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
 
          『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『金子みすゞへの旅』読了

2025-04-03 09:29:05 | 本・雑誌

『金子みすゞへの旅』を読了しました。

いい本でした。単にみすゞの詩を紹介、解説するのではなく、

みすゞの生涯に寄り添っての論考。その時代に身を置いての寄り添い。

著者の島田陽子さんのお母さんがみすゞと同い年だったということもあり、その時代性が重要視されています。

家父長制度時代の女性の立場に焦点を当てての論考を読むと島田さんの立ち位置が明瞭になっていて、興味を惹きます。

その辺りの事、島田さんと交流(それほど深くはなかったですが)していた時には思い至っておりませんでした。

この本を読んで、島田さんという人がある程度わかったような気になっています。

あ、それから、金子みすゞについても、だいぶ前にその一生は何かで読んだ記憶はあるのですが、この本のお陰でよくわかりました。

 

 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金子みすゞと鯨墓

2025-04-02 10:38:26 | 本・雑誌

図書館からお借りしてきた本『金子みすゞへの旅』(島田陽子著・編集工房ノア刊)を読んでいて、オッと思うページが。

みすゞの詩「鯨法會」です。

そして著者の島田陽子さんと鯨墓の写真。

うちの隣のお地蔵さんに昔、鯨の墓があったということを拙著『縁起・小墓圓満地蔵尊』に書いた。

全国各地に鯨の碑があるということは知ってはいたが、この本に出てくるのは思いがけないことで。

鯨に戒名までつけていたというのだ。

これは本を読む余禄というものでしょう。

 

『縁起・小墓圓満地蔵尊』(今村Ⅼ欣史著)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

島田陽子さんと金子みすゞ

2025-04-01 17:18:11 | 本・雑誌
午前中はW病院往復約3000歩。
 
9時半予約で、帰宅したのが11時半。検査時間5分、診察時間5分。
 
あとは検査待ち、診察待ち、会計待ちの時間。たくさんの患者さんで、病院も大変です。
 
検査結果は、前回と変わらず。次は1年後にしましょうとのこと。良かった。
 
待ち時間に読んでいたのが、『赤ひげ診療譚』。
 
 
これは病院で読む本ではないですね。若い医者が失神するような治療場面の描写があります。
 
でも読んでました。
 
昼からは中央図書館まで4400歩。
 
今日はよく歩きました。計7400歩。
 
お借りしてきた本。
 
ちょっとお勉強です。
 
imamuraさんの本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする