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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

浪曲師・京山幸太さんの文章

2024-10-02 15:33:04 | 随想

神戸新聞夕刊の随想欄。

神戸新聞さん拝借お許しを。

浪曲師、京山幸太さんが書いておられます。

一読、笑ってしまいました。話の内容ではなく、その文体に。

5行目から19行目までがワンセンテンスで書かれています。他の所はちゃんと普通の長さなのに。

普通、こんなに長いセンテンスは悪文の見本になるのですが(時にわざとそうすることはありますが)、この文章、なぜか自然に読めてしまいます。それで笑ってしまいました。妻にも読んで聞かせてやりました。

ということは、上手いんですね。流れるように書かれています。要するに、わざとなんでしょう。さすが浪曲師さん。

 

『コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

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火野葦平の葉書

2024-02-02 08:58:22 | 随想
短歌誌『六甲』2月号が届きました。なんと1046号。

代表の田岡さんの短歌。

この短歌を読むと、田岡さん89歳なんですね。
編集の仕事よく頑張っておられます。
中村メイコの「田舎のバス」のことを詠んでおられますが、この「田舎のバス」、わたしにも思い出があります。
風邪だったのか、なにかほかの病気だったのか忘れましたが、昼間に布団の中で休んでいてこの歌を聞いた記憶がハッキリとあります。
よく流行っていたんですね。
それにしてもベテラン歌人の田岡さんの短歌は、わたしのような門外漢にも馴染みます。
軽やかに人間が描かれていて。

こちらのページもどうぞ。

写真のハガキはわたしが所持するものです。
このような文人書簡と、それにまつわる話を順次紹介しています。

野元正さんの「花を巡る文学逍遥」、今回は織田正吉さんの『絢爛たる暗号』が取り上げられています。
わたし、この織田さんからもハガキを戴いています。
わたしの出版記念会で講演していただく予定だったのですが、行き違いがあって実現せず残念でした。

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『湯気の向こうから』

2023-10-29 15:02:06 | 随想
伝統ある短歌誌『六甲』に随想を客員で連載させて頂くようになったのは2016年5月号から。
もう7年を過ぎた。
タイトルを「湯気の向こうから」とした。
なんか思わせぶりな名前だが、何を書いてもいいと言っていただいていたのでこの名前にした。
だが、内容はやはり文学に関することがほとんどだった。
昨年の9月号まで書いて、このシリーズを一旦終え、今は新しいタイトル「昭和文人の手蹟」で書かせて頂いている。

この9月に、昨年まで6年余り、書かせていただいた「湯気の向こうから」を手作りで一冊の本にした。
77回分、改めて読んでみると我ながら面白い。
で、このほどある人にプレゼントしようと思って新たに一冊作ることにした。きっと喜んで下さるだろう。
一冊も二冊もそれほど手間は変わらないから二冊作った。

ということで、今手元に三冊ある。有効に活用したいと思っている。

『触媒のうた』兵庫県のおもしろ文学史秘話。

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「少年と老年」

2023-08-07 19:29:55 | 随想
「大和通信」第124号をお贈りいただきました。
その巻頭随筆に大いに共感しました。
秋葉直哉さんの「少年と老年」です。

「そうだ、そうだ、そうなんだ」と思わせられました。
ハッキリとはわたしは自覚していなかったけれど、こういうふうに書かれてみると、同じような感覚を持つ人がいるんだ!と思ってしまう。
《老年というものも、きっとこんなふうに、ふと黄色い光がともるようにしていっぺんにやってくるのだろう。》
いまわたしがそんなふうに感じています。
そんなに遠くないあの少年時代から、ふと気づくと、こんな爺さんになっていたのです。

涸沢純平さんの「舞鶴へ」も良かったです。さすがに文章は上手い。
ただ最後、終わるにしてはちょっと唐突感があります。次回に続くのでしょうか。

中尾務さんの「ルポルタージュに向かう小沢信男、伝記に向かう富士正晴」も読みごたえがありました。
《この種のものをまとめたら、ウス気味悪い本ができるでしょう。》という小沢が富士に出したハガキの話も面白い。
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タイパ抜群!読み聞かせ

2023-07-31 18:06:50 | 随想
今日の神戸新聞夕刊の「随想」欄。
神戸新聞さん、執筆者の堀恭平さん拝借お許しを。
←クリック。

子どもへの読み聞かせの勧めが書いてあります。
ただしわたしは「読み聞かせ」という言葉には違和感を持っており、「読みがたり」と言っております。

昔を懐かしく思い出します。
もう四十数年前、二人の子どもにわたしは毎晩のように絵本を読んでやりました。
ソファーに座って、両隣にhitoshiとkiyoを座らせて。
二人はべたーっとわたしにもたれるようにして聞いてくれたものです。
そして、同じ本の同じところを何度も何度も「もういっぺん」とせがまれました。
わたしは何度も何度も読んでやりました。
ここに書かれているように「同じ絵本を何度も読まされるのが、まるで拷問のように感じる」なんてことは全くありませんでした。
わたしも楽しかったのです。
それは結果的に大いに子育ての役に立ったと思っています。
ああ、もう一度子育てがしてみたい。
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「六甲」の随想

2022-12-21 14:11:22 | 随想
短歌誌「六甲」には2016年5月号から随想を連載させて頂いています。
6年を過ぎました。
「もうやめろ」の声もなく毎月書かせて頂いています。
初めは「湯気の向こうから」のタイトルで書かせていただいてましたが、それは今年の9月号、第77回で一旦終えました。
そして10月号からは新しく「昭和文人の手蹟」のタイトルで書かせて頂いています。
12月号はその第3回目。「竹中郁」です。
←二段階クリック。
お読み頂ければ幸いです。

『触媒のうた』おもしろ文学史秘話満載。
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「昭和文人の手蹟」

2022-10-12 11:38:37 | 随想
短歌誌『六甲』に書かせていただいていた随想「湯気の向こうから」は9月号で一旦終えました。
10月号からは新しいタイトル「昭和文人の手蹟」で書かせて頂いています。
第一回目は「堀口大学」です。
←二段階クリックで。
今後どんな文人が登場するかお楽しみに。
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「湯気の向こうから」の目次

2022-09-02 07:52:02 | 随想
昨日書いた短歌誌『六甲』の「湯気の向こうから」ですが、77回分コピーを取って一冊に束ねました。
そして、目次を作りました。



これで便利になります。
何かの参考にするために「あのこと、いつ書いたかなあ?」というような時にすぐに見つかります。

『コーヒーカップの耳』昭和人の喜怒哀楽が赤裸々に。
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「湯気の向こうから」を終えて

2022-09-01 19:40:05 | 随想
『六甲』は兵庫県で最も古い短歌誌ではないでしょうか。
今号で、通巻1029号です。
そこに2016年5月号から「湯気の向こうから」のタイトルで随想を連載させていただいています。
その第一回目には「「六甲」と足立巻一先生」と題して書いたのでした。
以来、今月号で77回、6年余にわたって書かせていただきました。
10月号からは、新たなタイトルで書かせていただきたいと思っています。
内容はまだ内緒です。

『コーヒーカップの耳』昭和人の喜怒哀楽が赤裸々に。
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本因坊秀策と藤井聡太王位

2022-08-26 08:55:11 | 随想
鈴木獏さんにお贈りいただいた「おたくさ」Ⅳ-3を読んでいる。
主力の連句はわたしには少々難しいのだが、ほかの随想や漠さんの「夭折詩人列伝」などは興味深く読ませて頂いている。勉強になります。
今読んで面白かったのが、永田圭介さんの随想「囲碁から学ぶ」です。
わたしは囲碁については若い折に父に教えてもらって少しやっただけ。竹林時代が訪れる少し前のころだった。父は早くに亡くなったので、その後将棋に転向してしまったのだった。でもルールぐらいは知っている。
この随想の中に江戸時代の天才棋士、本因坊秀策というのが登場し、すこぶる面白い。
《果たして局面は、じりじりと秀策の黒石側が盛り返し、三目の微差ながら逆転した。黒一二七、囲碁史に不滅の名手、『耳赤の一手』である。》
ここでその面白さを知ってもらうことはできないが、この「おたくさ」を持っている人は是非読んでみて下さい。120部限定とありますので、貴重ではありますが。
昨日、アベマで将棋の王位戦、藤井王位対豊島九段の戦いをライブで見ていたのだが、その藤井王位の勝ち方が、この秀策に似ている気がする。
凄い天才です。
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随想『湯気の向こうから』

2021-08-21 11:45:05 | 随想
短歌誌『六甲』に5年半ほど前から書かせていただいている随想「湯気の向こうから」。

8月号で64回。
知らぬ間にこんなに書いていた。
主に文学的なことを書いているが、読んでみると我ながら面白い。
丁度一冊分の分量がある。
どこかの出版社さん、企画で本にしてくださらないかなあ。

『コーヒーカップの耳』
この本も面白いです。
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朝ドラ「エール」

2020-03-29 22:34:29 | 随想
明日、3月30日から始まる朝ドラ「エール」は古関裕而(こせき・ゆうじ)さんがモデル。
その古関さんが作曲した「栄冠は君に輝く」について昨年の「KOBECCO」3月号に書きました。
富田砕花師に関連しての話です。


「ああ栄冠は」 
 昨秋のことになる。「富田砕花展」を芦屋市立美術博物館へ見に行った時のことだ。
 ウィークデイのことでもあり、観覧者はわたしのほかにはなく、館内はことのほか静かだった。
 ゆったりとしたスペースに砕花師愛用の書斎机や椅子、その他書籍、生原稿、色紙、条幅などが展示されていて心豊かな時を過ごさせてもらった。
 中に高校野球に関するコーナーがあった。高校野球ファンであった砕花師は、昭和10年に「全国中等野球大会行進曲」を作詞しておられ、その直筆幅も飾られていた。
ところがそのコーナーには、昭和24年に新たに制定された「全国高等学校野球大会歌」についての資料も展示されていた。今も夏の大会で流れる、小関裕而作曲の、胸躍る思いがするあの歌である。

 雲は湧き 光あふれて
 天高く 純白の球今日も飛ぶ
 …
その歌についての資料展示が結構なスペースを占めている。わたしは、「なぜ?」と思った。たしかその歌は砕花師の作詞ではなかったはず。富田砕花展にはそぐわないのでは?資料にも、作詞者加賀大介となっている。もしかしたら加賀大介は、何かの事情で砕花師のこの時だけのペンネームか?と思ったりした。いやいや、そんなわけはない。いただいた展示品リストを調べると、選者とあった。この大会歌の詞は公募されて、全国から五二五二篇もの応募があり、加賀大介という人の作品が採用されたのだ。しかし選者だからといって、これほどの展示スペースを取るのもおかしいなと思った。そこでわたしは、この歌のことを詳しく知りたくなり、帰宅してネットで調べてみた。すると思わぬことが分かった。
 元々作詞者として発表されたのは加賀大介ではなく、後に彼の妻となる高橋道子だったのだ。
 これについては『ああ栄冠は君に輝く』(手束仁著・双葉社・二〇一五年)という本が出ているのを知り、わたしはすぐさま入手した。そして一気に読み終えて、深いため息をついた。毎年の高校野球大会でテレビから流れるあの行進曲が急に愛おしいものに思えてきたのだ。
 作詞者加賀は、若き日、大好きな野球をしていて足を怪我し、それがもとで片足を失う。その後、自分の将来を文学に求め、やがて地域では指導者的立場になる。しかし、中央で活躍できるような文学者を目指すも思い通りに行かない。そんな時に、高校野球大会歌の公募を知り、〆切前日に完成し応募する。自分の名前ではなく、婚約者であった道子の名前を使い加賀道子(本名高橋道子)として。その理由は、「ぼくは文学者だ。文学の道を究めて芥川賞を獲るんだから、新聞社の賞金の高い応募作に、加賀大介の名前は使いたくないんだ」というわけである。
 この秘密は、その後20年間も明かされずに過ぎる。明かされたのは全国高等学校野球選手権大会が第50回の記念大会を控えた昭和43年2月のこと。朝日新聞記者が、「『栄冠は君に輝く』が発表されてから丁度20年になりますのでお話を」と取材を申し入れたのがきっかけ。道子は悩みに悩むが、もう秘密を持ち続けることに耐え切れず、その記者に真実を話し、二月二十二日の朝日新聞にこの事実が掲載される。
 《「作詞者は夫でした」 加賀さん20年ぶりに真相語る》
 この50回記念大会に加賀大介は招待されるが出席していない。そしてその後も甲子園に行くことは一生なかったという。このあたりの感動的な話は、著書『栄冠は君に輝く』をお読み頂きたい。

ところで、富田砕花展である。わたしはもう一度、芦屋美術博物館へ行って、あの展示を見なければならないと思った。
その日も観覧者は少なく、わたしのほかには赤いベレー帽をかぶった女子大生らしき女性が一人だけだった。
わたしはすぐさま高校野球のコーナーへ行き、資料を書き写していた。やがてそこへ先ほどの女性が回ってきた。わたしは一旦鉛筆を置き、場所を譲った。そしてお節介かも知れなかったが、高校野球ファンだという彼女に「この歌のエピソード知ってる?」と訊ねてみた。すると、知らないと言う。で、あの感動的な話をしてあげると、「楽しい話をありがとうございました。今後はこの歌をこれまでと違った思いで聴くことになります」と喜んでくれた。
わたしが書き写していたのは、加賀大介による歌詞が書かれた朝日新聞社の原稿用紙二枚。緑色の罫線の色褪せたものである。それに砕花師が赤鉛筆で補作しておられるのだ。わたしには、特に二番の補作が印象的だった。その一部。加賀大介の元詞は、
《青春のほのほをかざせ ああ 栄冠は君に輝く》だが、砕花師の補作はこうだ。
《青春の賛歌を綴れ ああ 栄冠は君に輝く》
ほかの何ヶ所かの補作と合わせ、見違えるように歯切れよく、そして格調高くなっている。流石です。


『完本コーヒーカップの耳』 

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いちばぎゃらりぃ侑香

2020-01-16 15:34:49 | 随想
今日の神戸新聞夕刊の「随想」欄。
神戸新聞さん、拝借お許しを。



「阪神・淡路大震災という日」と題して詩人の玉川侑香さんが書いておられます。
あの震災を体験した者なら、いくらでも書くことがありますね。
でもさすがに玉川さんは詩人、流れよく書かれています。
そして多分、この文章は次へと続くのでしょう。
この「ヨックン」のこと気にかかりますもんね。
それはさておき、玉川さんが営んでおられる「いちばぎゃらりぃ侑香」には、
わたしも一度お訪ねしたことがあります。
もう随分昔です。
あれは震災前だったのでしょうか?それとも後?
もう遠い記憶です。
玉川さんはいつもお元気そうでいいですね。
頑張って下さい。

 『完本コーヒーカップの耳』
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「見えない」

2020-01-05 09:01:50 | 随想
今朝の神戸新聞「木皿食堂」第104回の「見えない」に胸を衝かれました。
←二段階クリックで。

冒頭の文。
《ダンナが子どもの頃の話である。友人から、「そうかあ」と心の底から感心するように言われたそうだ。「お前は、24時間障がい者なんやなあ」と。つまり、自分が見えてないときも、この友人は不自由を強いられているのだと、ふいに気づいたのだろう。》
当り前のことなんですけど、日ごろ忘れていることでもあって。
そして文末はこうです。
《私たちは、どんなに時間に切り刻まれようと、何も失わないし、見えないものを見ることができる。そういう想像する力を持っている。》
取り立てて新鮮なことを言っているわけではないですが、全文を読むとなにか心を打ちますね。文章力、筆力というものでしょうか。

 『完本コーヒーカップの耳』
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「冷汗三斗」

2019-12-31 10:24:43 | 随想
もう若い時のような年末の大掃除はできませんね。
昨日、ちょっと物を動かしたり、低い所を拭き掃除したりしたら背中や腰が痛くて。
今日はサボりながら、ぼちぼちです。サボる時間の方が長いけど。
その合間に届いた短歌雑誌「六甲」を見てます。
中の随想欄。
←クリック
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 『完本 コーヒーカップの耳』
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