『『モダニズム出版社の探検』余話』(高橋輝次著)という本をお贈りいただいた。
高橋さんは元「創元社」の編集者です。
今はフリーの編集者であり、フリーライター。
神戸あたりの古本屋さんでよくお会いします。
こんなお手紙がついていました。私信ですが、ま、いいでしょう。お読みください。
(高橋さん、もし都合悪ければおっしゃってください、削除いたします。)
ここに出てくる「このあいだ私家版を贈ってくださったので、お礼の代わりに献呈します」と書かれている献呈本は『湯気の向こうから』(限定150部)のことです。あの本は基本的には皆さんにお買い上げいただいたのですが、高橋さんには献呈したのでした。
ということで、この高橋さんの『モダニズム出版社の探検・余話』、もしよろしければ買ってあげて下さい。
頒価、1300円。350部の限定版です。
本の内容は、阪神間の文学と本、雑誌の話です。しかも少しマニアックで、有名作家の名前はあまり出てきません。
でも、読み始めると引き込まれます。
これは高橋さんの文体のせいかもしれません。ずるずると引きずり込まれるような、背中を丸めて小さな声でつぶやくような文体(失礼。わたしの主観です)で、嬉しそうに書いておられます。
ざ~っと斜め読みしましたが、わたしが興味のない話でも、やはり読まされてしまいそうな文体です。
わたしが馴染む人名も出てきます。
古書店「街の草」の加納さん、宮崎修二朗、春山行夫、君本昌久、竹中郁、杉山平一、田中冬二、天野忠、熊井啓など。
この熊井啓、もちろん有名な映画監督さんですが、この人のお孫さんが昔「喫茶輪」のお客さんで来ておられました。きれいなお嬢さんでしたが、店で熊井監督の話が出た時に「わたしのおじいちゃん、そんなに有名なんですか?」と言ったのでした。これは余分な話でした。
あ、そうだ、高橋さんが書かれたのでしょう「著者略伝」というページがありました。
人のいい人です。
さあ、もう一度初めからじっくりと読ませてもらいましょう。
本好きの皆さんも一度高橋さんの本をお読みください。
中毒になるかもしれません。
『コーヒーカップの耳』 一度読むと間違いなく著者の中毒になる本。