初心者のクラシック

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交響曲第1番「冬の日の幻想」

2008年03月07日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」です。

この曲のタイトル「冬の日の幻想」というのは、クラシックでは珍しくチャイコフスキー本人が名付けた名前のようです。(後付けの場合が多い)

チャイコフスキーは完成したこの曲をニコライ・ルビンシュタインに見せると、批判を受け何度か改訂したようですが、初演はそのニコライ・ルビンシュタインの指揮によって行われますが、まずまずの成功を収めていたようです。

曲調は、前半はフルートや木管楽器を中心にタイトルどおり“冬の日の”を連想させるような寒風吹きすさぶ、激しいフレーズが続きますが、2・3・4楽章と進むに連れて、徐々に暖かく、明く派手に盛り上がっていきますから、その変化が聴きどころだと思います。


 第1楽章:つむじ風のように舞うフルートから始まります。低音の弦楽器が刻む
 リズムにのせて、木管楽器が木の葉のように舞い散ります。
 弦楽器は徐々に強くなる風のように吹きすさび、バスドラムやトランペットが
 打ち鳴らされると、吹雪のように迫ります。
 クラリネットがゆるやかに入ると、内に入りドアを閉めたようになめらかで
 ゆったりとした曲調になり弦楽器も優しく響きます。
 しかし、窓の外は強い吹雪が荒れるように、トランペットや弦楽器が激しく
 吹きすさんでいるように聴こえます。
 そんな外の様子を内からおびえるように、オーボエ、弦楽器などががヒソヒソと
 小声で話すように伺っているようです。
 弦楽器は高音が次第に盛り上がると、低音がグラグラと家を揺らすような力強い
 フレーズで迫ります。
 ひっそりとした弦楽器は、静かにその揺れが納まるのを待っているようです。
 フルートが再びふわふわと鳴りだすと、強風は去ったようにも思えますが、
 しばらくするとまた低音の弦楽器が鳴り始め、勢いを取り戻しますが、
 何度か、強弱を繰り返しながら次第に納まっていき、低音の弦楽器も静かに
 止んでいきます。
 
 第2楽章:低音の※ピチカートがひとつ響くと、チェロがしんみりと響き渡り、
 嵐が去った夜のひっそりとした雰囲気が、やすらかに伝わってきます。
 オーボエがやわらかく響き、フルートのフレーズとファゴットのリズムが
 聴こえてくると、暖炉のそばでおばあちゃんが椅子に腰かけて
 編み物をしながら、昔話を語っているように聴こえてきます。
 弦楽器がしなやかなフレーズを奏でると、話を聴いていた子供がスヤスヤと
 眠りについたようなおだやかな曲調になります。
 更にチェロのフレーズが温かく響くと、その場に眠り込んだ子供を起こさない
 ように毛布を掛けて、そのままおだやかな表情を眺めているような温かい
 気持ちになります。弦楽器がだんだん静かになっていくと、
 夜も更けて家の明かりを消し、風の納まった外もすっかりと平和を取り戻した
 ように家の煙突から煙だけがふわふわと立っているように聴こえます。
 そして、いざベッドに入って眠りに就こうとすると、ホルンの音が響きます。
 響きがだんだん大きくなると、今日の嵐を思い出したかのように不安がよぎります
 しかし、フルートが流れ落ち着くと、その事もようやく忘れて、いつの間にか
 眠るようにして終わります。

 第3楽章:フルートから弦楽器へと少し変わったフレーズが小気味よく響きます。
 一夜明けて、まだ少し肌寒い空模様の中、昨日の嵐がまき散らしたゴミをテキパキと
 片付けているような、弦楽器はほうきで掃き掃除をして、木管楽器やピチカートは
 テクテクとあちこちに散らかったものを集めるような、そんな響きに聴こえます。
 すると、いつの間にか日が昇り午後には温かい日差しが降り注ぐように
 ゆらゆらと揺れる弦楽器がじんわりと響きます。
 フルートも昨日とは違って、さわやかに心地よい風に変わっているようです。
 ホルンがゆったりと響くと、まるで吹雪が嘘だったように温かく響きます。
 心地よい余韻に浸っていると、ふと思い出したように最初のフレーズが…、
 まだ掃除の途中だった事に気付いて、テキパキと片付け仕事に戻ります。
 最後にティンパニ(大太鼓)がドロロン!と鳴ると、遠くで雷が響いたように
 聴こえて少し気になりますが、最後はきっちりと片付けて終わり!
 
 第4楽章:ファゴットが静かに流れると、弦楽器もひっそりとしたフレーズに
 低音のピチカートがリズムをつけていきます。ティンパニのドラムロールが
 更に静かに鳴ると、
 低音の弦楽器はゆっくりと首を持ち上げるように盛り上がり、徐々に高音域に
 達します。トロンボーンが響き、シンバルが大きく鳴り響くと、曲調は一気に
 華やかになりトランペットは派手になります。
 山奥で冬眠していた動物たちが目覚めて、雪解けを喜びあうかのように
 あちこちを飛び回っているようです。
 さわやかな木管楽器の音色に続き、弦楽器が少し厳しい表情も見せますが、
 後半は勇ましい弦楽器に高鳴るトランペットなどが続きシンバルが響くと
 もう、おおはしゃぎの展開になっていきます。最後に一時、静かになりますが
 ラストはフルオーケストラが一気に盛り上がり、トランペットが高らかに
 鳴り響くと、華やかに春を迎えて終わっていくようです。


う~ん、やっぱり長くなってしまった…。実際の演奏時間は約42・3分なんですが、いろんな事を伝えようとすると長文になってしまって申し訳ないです。(長けりゃいいってもんでもないし)
と、いう訳で冬から春のイメージで書いてみました。前から冬の内に早くこの曲を紹介したかったんですが、早くも3月になってしまいギリギリでしたが、まだ寒いのでいいかな?なんて思ったりしながら書いてみました。

≪オススメCD≫
交響曲第1~3番まで入ってます
チャイコフスキー:交響曲第1番,第2番,第3番

ポリドール

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
「冬から春」のイメージなら今時期がちょうどいいかも?


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