初心者のクラシック

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ピアノソナタ第7番    (ベート―ヴェン作曲)

2009年04月26日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第7番です。

この曲はベートーヴェンのピアノソナタでも初期の作品になりますが、この後に作曲された、有名な第8番の「悲愴ソナタ」を前に、第2楽章では、その片鱗を少し匂わせるような雰囲気を持っていますが、
全体的には、やや軽めの印象を受けます。軽快に進めるリズムとテンポがそんな印象をもたらしているのかもしれませんが、
それでも、しっかりとした足取りが心地よくもあり、ズッシリと聴かせる部分もあったりと、やはりベートーヴェンの持ち味がいろいろと味わえる一曲です。



 第1楽章:トントントン!と心地よく階段を上って行くように軽快なリズムで
 始まると、小刻みなリズムになだらかなメロディが掛け合い、
 なめらかなフレーズが転がっていきます。
 高音が可愛らしく響いたかと思うと、低音がドシドシと入ったり、
 その都度細かく切り替えながら、軽やかに曲を進めていきます。
 後半は低音で勢いをつけてその上に高音が軽やかに弾むように、両者の
 コンビネーションがくりかえされていきます。
 そして、しっかりとした足取りでラストを飾ります。

 第2楽章:重たく疲れたような和音が響くと、ポツリ、ポツリと歩を進めるように
 ゆっくりとした、悲しげなメロディが響きます。
 低音のメロディに、時折入る高い音がグッと息を飲むような、ドキッとする
 雰囲気を奏でていきます。
 静かな曲調にひと際響く高音が、グサッと刺さるように悲しい音色を聴かせます。
 低音がリズムを取り始めてどうにかそれを流そうとしますが、
 低音のリズムは次第に力が入り、高音のメロディは締め付けられるように
 小さく身を潜めるようにも聴こえてきます。
 次第に高音のメロディも主張を強めていきますが、聴けば聴くほど、その
 悲しい旋律が深く刻み込まれていくようです。
 そして、最後は寂しくひっそりと静まり返り、高音のフレーズを少し聴かせると、
 ポツリと終わっていきます。

 第3楽章:ゆったりと、こころ落ち着くなごやかなメロディが軽やかに始まります。
 低音から少し跳ね上がると、中音から高音へ、少しずつ音を重ねていきます。
 そして、今度は低音から、中音、高音へと、そのフレーズを追いかけるように
 ゆっくりと曲を聴かせます。
 急にリズムが速くなると、少し明るい表情にも聴こえてきます。
 しかしすぐにピタッと元の早さに戻り、またゆっくりとフレーズを追いかけて
 静かに終わっていきます。
 
 第4楽章:アレ?何!?と聴き返すようなフレーズで始まり、ようやく確認が
 できたかと思うと、一気に転がりだすようなメロディが始まります。
 軽快なフレーズをとめどなく始めたかと思うと、
 しばらくして、またアレ?と振り返るようにテンポが一瞬止まります。
 そして、また軽やかに転がりだします。
 こんな感じで何度か立ち止まって確認するようなフレーズを挟みながらも、
 一度進みだすとある程度までは進んで、また確認。
 ちょっと進んでは立ち止まり、が少しコミカルに聴こえますが、
 飛び石をピョンピョンと跳ねるように進むメロディはとても軽快に響きます。
 最後は輝くようなフレーズを聴かせて、無事に最期まで転がりこんで、
 ぴったりと静かに終わります。


とても面白い曲ですね。最初は軽やかに始まったかと思うと、第2楽章では少し悲しくなり、このままいつものベートーヴェン節が始まるかと思いきや、第3楽章ではなだらかに、第4楽章は、なんだか手探りで前に進むような、ちょっと終わり方は拍子抜けする感もありますが・・・、
力が入るところはしっかり入っていますが、終わり方も含めて、ちょっとすかされたような雰囲気が、なんとも特徴的な一曲かもしれません。

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アラウで聴いたんですが、見つけやすかったのがこのCD。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第1番&第7番
リヒテル(スヴィヤトスラフ)
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★


≪おすすめシチュエーション≫
深い味わいをサラッと聴かせるといったところでしょうか?



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