初心者のクラシック

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「楽聖」ベートーヴェン(第5話)

2007年04月21日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「楽聖」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(第5話)です。

≪作曲家ゆかりの曲≫
ベートーヴェン:交響曲第3番
シカゴ交響楽団, ベートーヴェン, ショルティ(サー・ゲオルク)
ユニバーサルクラシック

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【Ludwig van Beethoven】

耳の病に苦しみながらも、まさに決死の覚悟で音楽に身を投じるベートーヴェン。今日はその続きからです。

(第5話)【英雄交響曲】
ハイリゲンシュタットで音楽に懸ける決意をして、多くのスケッチ(曲の下書き)を書き溜めると、1803年にはウィーンに戻ります。このときには既に難聴を他人に隠し通す事ができなくなり、弟カールを補佐役として、一緒に暮らすようになります。

やがて、ピアノ協奏曲第3番を完成させると、4月には、この曲と交響曲第2番を含めたプログラムで演奏会を行います。演奏会が成功を収めると、数日後にリヒノウスキー侯爵からヴァイオリニストのジョージ・ブリッジタワーを紹介されます。彼がウィーンで行う演奏会のためにヴァイオリンソナタを依頼されると、これに応えヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」を作曲します。
ブリッジタワーが演奏会でこのヴァイオリンソナタを演奏すると好評になり、彼にソナタを献呈しようとしますが、ブリッジタワーとは些細な事から不仲となってしまったため、結局フランスのヴァイオリニスト、クロイツェルに献呈される事になるのでした。

そして、いよいよ交響曲第3番「英雄」の作曲にとりかかります。作曲に専念していると、パリの有名なピアノメーカーから音域の広い新型のグランドピアノがプレゼントされるのでした。そして1804年ベートーヴェンは早速この新型ピアノでピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」を完成させます。そして更に交響曲第3番「英雄」を完成させるのでした。

フランス革命の後、混乱したフランスをまとめ、その勢力を拡大しつつあったナポレオンに尊敬の念を抱いていたベートーヴェンは、当初この曲に「ボナパルト」(ナポレオンの名前)を付けてこの作品を献呈しようとしていたようですが、ナポレオンが皇帝に即位すると、市民の期待を裏切られた感のあったベートーヴェンは、「ボナパルト」のタイトルをかき消して、献呈を取り止めたという説と、「英雄」交響曲には第2楽章に「葬送行進曲」があるため、ナポレオンにこれを献呈するのは失礼にあたると考え、献呈をやめてタイトルも変えたという説があるようです。

英雄交響曲を作曲すると、次には「レオノーレ」の作曲に取り掛かります。この頃ベートーヴェンはレオノーレとは別に「希望に寄せて」という歌曲を作曲しています。そしてこの曲をヨゼフィーネに献呈していますが、実は数年前からピアノのレッスンを行っていたようですが、既に結婚しており子供も居たようです。しかし、二人の親交はレッスンを通じて深まっていったようです。

そして、運命のいたずらか?1804年ヨゼフィーネの主人ダイム伯爵が突然亡くなってしまうのでした。こうなると二人の関係はより親密なものになっていくのでした。ベートーヴェンはヨゼフィーネに宛てた手紙に「私の愛するJ」と綴り、想いを募らせていきます。一方、主人を亡くしたヨゼフィーネも、ベートーヴェンの熱い想いを受け止め、心のよりどころにしていたようです。

しかし、この頃の多くの作曲家がそうであったように、二人の間には「身分」という壁が立ちはだかります。ヨゼフィーネは貴族で伯爵夫人、一方、今でこそ世紀の作曲家と呼ばれるベートーヴェンですが、いくらずば抜けた音楽の才能を持っていても、所詮は宮廷楽師のひとり。その身分の違いを乗り越える事はできず、やがてヨゼフィーヌはベートーヴェンとの距離を置き、数年後にはシュタッケルベルク男爵と再婚します。

こうして、ベートーヴェンとの親交も次第に薄れ、ベートーヴェンの叶わぬ想いは幕を引いてしまうのでした。


音楽に打ち込むベートーヴェンは、遂に大作の「英雄交響曲」を完成させます。私生活では、やはり身分の違いから恋愛ではうまくいかないようです。さて、今回も少し長くなりそうなので、明日は少し間を入れてこのつづきはまた数日後。

【その他の作曲家の生涯はこちら】

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