「うわっ、どないしよ!」みるみる血の気が引いた。
今日の午後、理容店に行った時のこと。この店は65歳以上は1000円だったので券売機に入れるも1100円に値上げをしていてチケットが出ない。
ショルダーバッグの中にある財布に小銭があるのだが、バッグの中をいくら探しても財布が見当たらない。
フッと頭をよぎったのが先ほど立ち寄った銀行で振り込む時にATMの横に財布を置いた。一目散に走って銀行に行くがもう財布は無かった。
嫁さんの怒り狂う顔が脳裏に浮かんだ。と言うのは今日は振り込みが4件あったので「早よ行きや」と言われたが3時前に家を出た。
額の小さい順から振り込みをして、昨年の台風で破損した屋根の修理代32.4万円の工務店への振り込みを最後にした。
ATMに振込金額を入力するも『振込金額を入力して下さい』の画面。何度か繰り返して画面をよく見ると現金振り込みは1回につき10万円以下になっていた。
以前は一括で振り込めたのにと思いつつ、ブース内の電話で係員に問い合わせた。
「この支店宛に振り込むのに1件につき432円。4件で1728円も払わなあかんのか?」と尋ねると「窓口でしたら一括振り込みが出来ます。営業時間内に来て下さい」とのこと。
工務店への振り込みは後日にしてたので財布にはその大金と各種カードや免許証などが入っていたのだ。
「そやから早よ銀行に行きや、言うたやろ!」嫁の顔を浮かべながら駐輪場に行くと自転車の前籠の中に財布があった。大勢の人が行き交うショッピングモールの入り口なのであったのは奇跡に近い。
ホッと胸をなでおろして再び理容店へ行ったが、もし料金が1000円だったら財布に気づかず散髪をしていたので無くなっていたに違いない。それを考えるとゾッとした。