8月31日(月)、防衛局が大浦湾の岩礁破砕許可区域外に大量のコンクリートブロックを投下した問題について、やっと県の立入調査が始まった。県は漁業取締船「はやて」の他、4隻ほどの船をチャーター、4~5人のダイバーで臨時制限区域内で調査を開始した。
旧盆が明けて、我々も久しぶりに船やカヌーを出した。私はKさんと「美ら海」でマスコミ関係者を案内、他には、「平和丸1号」や「勝丸」が海案内やカヌー隊のサポートにあたった。カヌー隊は11艇が海に出た。カヌーも船団も、県の調査の邪魔にならないよう大浦湾の臨時制限区域内には入らないことを事前に確認しており、カヌー隊は長島、平島付近で練習、「美ら海」はフロートの外側から県の調査を見守った。
(現場に向かう県の調査船ら)
(県のダイバーたちが海に潜って調査を開始した。)
県のダイバーが潜水を始めると、すぐに防衛局のダイバーが後を追う。まるで、県のダイバーの監視をしているかのようだ。水産課に電話をいれて担当者に確認すると、事前の協議で、「県のダイバーの安全確保」のために、防衛局もダイバーを入れているという。
県は、サンゴ礁破壊の事実が確認されれば、埋立本体部分の岩礁破砕許可を取消すことを検討するというが、投下からすでに7ケ月以上が経過していることから、今ごろ調査をしてもサンゴ礁破壊の事実が確認されるとは思えない。たとえ、サンゴ礁破壊の事実が確認されなくても、許可区域外に大量のコンクリートブロックを投下したこと自体が県の漁業調整規則違反となる。県の毅然とした対応を要請したい。
(県の「漁業取締船・はやて」。右はダイバーらを乗せたチャーター船)
ところが、ふと気がつくと海保の浜で大型クレーンが作業を始めている。どうやら海保の浮き桟橋の設置作業のようだ。県と政府の集中協議期間中は、いっさいの作業を行わないという合意があるはずだから、浮き桟橋設置は合意違反であることは明らかで許せない。
すぐにカヌー隊や他の船団に連絡をとり、急遽抗議行動を行うこととなった。「美ら海」には大勢のマスコミ関係者が乗っているのでフロートの中に入れないが、海案内をしていた「平和丸1号」がすぐに現場に向った。平島付近にいたカヌー隊も急いで浮き桟橋を目指した。
辺りには海上保安庁のゴムボートが4隻ほど待機していたが、不可解なことに、船やカヌーが浮き桟橋に近づくのを規制しようとはしない。逆に、後退して、かなり離れたところから様子を伺うだけだ。おそらく、休戦協定中に、カヌーや船を拘束すれば、大きな問題になるのでそれを避けたとしか思えない。
カヌー隊は、浮き桟橋のすぐ横で抗議行動を続けた。まだ、接舷材が船に積まれたままで桟橋には付けられていない。カヌー隊の抗議により、作業員らも引き上げてしまったままだ。
それにしても、休戦協定の最中に、何故、合意を破って浮き桟橋の設置を始めたのだろうか。この浮き桟橋は海保のゴムボートの係留のためだから、9月9日以後の作業開始に向けた準備を始めたとしか思えない。
県は、防衛局の勝手な動きを許さず、岩礁破砕許可の取消し、そして埋立承認の取消しを急いでほしい。
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<追記>
私は、午後、所要のため船を降りた。帰宅してここまでブログを書いたところ、午後4時頃、現地から「浮き桟橋を撤去している」という連絡が入った。午後も、カヌーや「勝丸」が浮き桟橋に張り付いて抗議行動を続けたため、防衛局はこれ以上の混乱を避けざるを得なくなったのだろう。まずは、海上行動隊の奮闘のおかげだ。