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チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

大浦湾軟弱地盤土質調査文書の開示大幅延長に抗議する開示義務付訴訟の第1回口頭弁論開催。原告としての思いを口頭で陳述

2025年06月03日 | 沖縄日記・辺野古

 今日は、私が国を被告として提訴した情報公開訴訟(大浦湾軟弱地盤土質調査文書の開示処分等義務付訴訟)の第1回口頭弁論だった(訴訟の詳細は5月29日のブログ参照)。たった一人で提訴した訴訟だが、沖縄平和市民連絡会等の協力をいただいたこともあって、法廷は、20名を超える傍聴者でほぼいっぱいになった。

 この日、被告・国は、審理を意図的に遅らせようとする露骨な姿勢が目立った。

 被告・国は答弁書で、「訴えを却下する、棄却するとの判決を求める」と主張しただけで、原告の訴えに対する認否、反論については、「追って準備書面により主張する」としただけだった。裁判長が、「準備書面の提出は、何時になりますか?」と尋ねたが、「事実関係の整理に時間を要しますので---」と、提出時期を明言しない。

 金高弁護士が、「提訴からもう2ケ月も経っている。開示決定期限を1年7ケ月延長すると決めた時点で事実関係は整理されているはずだ。何故、遅らせるのか?」と鋭く追及し、裁判長も「原告が主張されるとおりです」と国に迫った。

 被告・国は、公文書の開示を大幅に延長しただけではなく、その違法性を問う訴訟でも審理を遅らせることにやっきになっているのだ。

 結局、被告・国の準備書面提出期限は7月4日、第2回口頭弁論は7月22日(火)午後2時半~と決まった。

 その後、私が証言台に立ち、口頭で意見陳述を行った。その全文を下に掲載する。

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<原告口頭陳述全文>

 私は本年1月3日、沖縄防衛局長に対して、沖縄防衛局が辺野古新基地建設事業の一環として昨年から大浦湾で実施している土質調査に関する文書の公文書公開請求を行いました。

 情報公開法第10条では、「開示決定等は、開示請求があった日から30日以内にしなければならない」、「正当な理由があるときは、30日以内に限り延長することができる」と定めています。すなわち、少なくとも60日以内で開示決定しなければならないのです。

 ただ、同法第11条(期限の特例)では、「文書が著しく大量である場合」は、「相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの行政文書については相当の期間内に開示決定をすればよい」とされています。今回の請求文書は、実際にはたいした量ではないはずですが、沖縄防衛局長は、「文書が著しく大量である場合に該当する」として、開示決定期限を1年7ケ月も先の来年8月28日としてしまったのです。

 そして請求から60日が経過した3月7日、法11条の「相当の部分」として、「シュワブ(R5)C1護岸新設等工事」の特記仕様書の表紙1枚だけが開示されました。この特記仕様書の全文は既に2023年12月に国会議員に提供されているのですが、今回は、その表紙1枚だけを出してきたのです。これが「相当の部分」でしょうか? 法の趣旨を逸脱した、あまりに不誠実な対応と言わざるを得ません。 

 沖縄防衛局は、私の公文書公開請求に対して、何故、このような開示決定期限の大幅延長をしたのでしょうか?

 辺野古新基地建設事業で沖縄県知事が防衛局の設計変更申請を不承認とした最大の理由は、防衛局が、海面下90mまで軟弱地盤が続いているB27地点で、地盤の強度を直接調べるボーリング試験を行っていないことでした。県は再三にわたり、B27地点でのボーリング試験を実施するよう求めましたが、防衛局は、離れた3地点のボーリング試験結果でB27地点の強度は類推できると主張、B27地点でのボーリング試験を頑なに拒否し続けました。

 一昨年12月、国土交通大臣が代執行で設計変更申請を承認し、昨年1月から大浦湾側での工事が始まりました。ところが防衛局は昨年8月からB27地点周辺で、2隻の調査船でボーリング試験と思われる土質調査を始めたのです。防衛省は、「地盤改良工事に先立ち、護岸予定地付近で土質調査を実施している」と認めましたが、「強度を評価する調査のやり直しではなく、別の調査という位置づけだ。結果の公表は予定していない」としています。

 あれだけ拒否し続けてきたボーリング試験を、工事が始まるという段階になって、何か月もかけて実施しているのは何故でしょうか? 調査結果によっては、護岸の構造や地盤改良工法の変更が必要となる可能性がある重要な事態です。

 私の2018年の公文書公開請求では、防衛局は、23地点の土質調査の報告書を、全く延長せずに30日で公開しました。また2019年には、1万ページに及ぶ数件の土質調査の報告書等を、作成から3ケ月で、全て国会に提出しました。今回のわずか数地点の土質調査に関する文書の開示・不開示の判断に1年7ケ月も要するというのは納得できません。

 これは、軟弱地盤の土質の実態、地盤改良工事が可能かどうか、等の議論が再燃するのを防ぎ、その前に工事を進めておこうという政治的な思惑に基づいたものと言わざるを得ません。

 市民が公文書公開請求をするのは、その時期に確認するのが必要な文書だからです。開示決定期限が大幅に延長され、はるか先に公文書が開示されたとしてもすでに意味が無くなっていることが多いのです。法11条の特例を濫用し、開示決定期限を大幅延長することは、意図的な「公文書隠し」であり、実質的には「不開示決定」と同様です。 

 最後に、情報公開法第1条を再度確認しましょう。

「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。」

 今回のような開示決定期限の大幅な延長は、「開示を請求する権利」、すなわち、国民の「知る権利」を侵害するものであり許されません。

 裁判所が速やかに適切な判断をされることを切に望みます。

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