領土争い。

寝室でベッドを整えていると、帰宅して着替えているハルトくんに声を掛けられました。

「あのさ、枕の位置、ちょっとだけずらして貰える？」

見ると、ダブルベッドに2つ並んだ枕は、中心よりもハルトくん側に寄っており、要するにハルトくんの寝るスペースが私の寝るスペースよりも狭くなっていました。
ちょっと狭いな～、布団は掛かっててもベッドからはみ出してるのか下から冷えてるのかな～、などと、決してこちらを責めるようなことは言わずにアピールしてくる辺り、ハルトくんたら安定の平和主義。
私も意識的にそうしていたわけではナイので、言われるままに枕の位置を直しながら、ポンポンと整えます。
黙っまま作業していると、「ムッとされた…？」とでも思われそうで、何か他愛のナイ無難な返しをしておきましょう。
いつもの調子で「群雄割拠だから♪」とかが喉元まで出掛かりましたが、これだとまた「癒されない…」とか言われそう。
ふむ、今回はちょっと趣向を変えてみるか。

「ゴメンゴメン、好き過ぎてつい、そっちにくっついていっちゃうんだよ」

ぬけぬけと言い放ってやると、想定外だったらしいハルトくんは、「お？！ お、おぅ…っ///」と動揺していました。
超面白い。（コラ）