「これは男の人に作って欲しい」と思うメニューがある。
それは、ラーメン。
小さい頃、台所に立たない千矢父が、唯一作ってくれたのが「野菜ラーメン」。
サッポロ一番に炒めた野菜をのせるといった、今考えれば単純なものだ。
しかし、千矢母と弥生さん@姉貴によると、きっぱりマズイ代物であったらしい。
当時純真(?)な子供だった私は、野菜嫌いのためにコレが苦手なのだと思っていた。
因みに、私が千矢母と弥生さんの証言を耳にしたのは、結婚してからである。
ついでに言えば、千矢父が何か食事を作ってくれたのは、唯一どころかこのたった1回だったそうだ。
野菜ラーメンを何度も作ってくれたように思っていたが、相当印象が強かったための錯覚だったらしい。
私の子供の頃の記憶は、何ともあやふやだ。
少なくとも、千矢母と弥生さんの記憶の方がしっかりしていることは間違いない。
その後、千矢母に美味しいラーメンを何度も食べさせて貰ってはいるのだが、その時の「千矢父の野菜ラーメン」は私の中に「ラーメン=男の人の作るもの」というイメージを定着させている。
いや別に、自分で作りたくないわけではナイ。念のため。
しかし、「サッポロ一番に炒めた野菜をのせる」だけの野菜ラーメンが、どうしてそこまできっぱりと「マズイ」と言わしめるモノになったのか。
適当に作っても、それなりにオイシイものが出来上がるという点が、サッポロ一番のスバラシイところだと思うのだけども。
千矢父、何をやったんだろう…。
ハルトくんの作ったおいしいラーメンを啜りつつ、そんなことを考えた。